ISOのための、ISO活動はやめましょう。もっと自然に

ISO9001または14001のコンサルティングをしていて、ときどき思うこと。

そして、ご理解いただきたいこと。

ISOの運用というのは、ISOのためにやるのではなく、自社のためにやるものです。

ISOは規格要求事項が、「あれやれ」「これやれ」と色んなことを要求しています。

その要求事項に対して
「ISOが要求しているから、それをやっている。規格要求がなければ、やらない」

もし、そんなことが起こっているのであれば、恐らく、それはやらなくていいことを、無駄にやっている可能性が高いです。

だったら、やらなくて良いのか?
規格は無駄や必要ないことを要求していることはありません。修正すべきは、やり方です。今とは違う方法で要求を満たすべきです。

先日、ISO9001とISO14001のコンサルティング先でこんなことがありました。

ISO9001の8.4項では、「外部提供者(仕入先、外注先)を再評価しなければならない」という要求事項があります。

要求事項の内容は、
外部提供者(仕入先、外注先)や、そこから提供される製品・サービスについて、問題が起こっていないか、このままその仕入先と取引を継続しても問題がないか、などを評価(再評価)してくださいという要求です。

この要求事項に関して、次のような質問をいただきました。

「取引先を再評価しないといけないんですか?」

質問をされた経緯は、コンサルタントの私が「ISOの要求事項全般について、ISOのためにやるんだったら、やらなくていいですよ」と再三申し上げていたのを受けられて、ご質問者は「仕入先の再評価は意味がない」と感じられ、このようなご質問をいただきました。

私の回答としては、

再評価は規格が要求しているので、やらなければなりません。

再評価をやならなくても良いか、または、やりたくない。という以前に、現実に問題がないから取引を継続されていらっしゃると思います。

その『問題がない』と感じられていること、そのものが再評価です。なので、ISOから要求される以前に、既に再評価はされていると思います。

やりたくないと仰っているのは、点数をつけたり、手間のかかる記録を残したりする「ISO的な再評価」のやり方であり、やりたくない、面倒だと感じられているISO的な再評価(ISOのためにやっている再評価)は、是非、やめにしていただいて、

「問題ない」と感じている事実、根拠は何なのか、問題ないと感じられるまでの流れそのものを再評価の方法(ルール)にすれば良いと思います。

「こうだったら問題ない、取引継続!」という条件を明確にしてください。

と回答しました。

この再評価に関する規格要求もそうですが、ISOの規格要求を要求以上に大きく捉えて、大きなイベントになっている会社が多いです。

『これがISOは大変だ』となっている原因です。

ISOが要求しているのは当たり前のことで、わざわざイベントにしなくても自然に満たしていることも多いです。

ISOのためのISO活動はやめましょう。

今回の言いたいこと、ご理解いただきたいこと、でした。

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ。現在、東京と関西を拠点に全国コンサル訪問を展開中。26歳で現職の経営コンサルティング会社に転職し、2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティングとISO研修を提供、継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。

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