建設コンサルタント会社のISO9001取得が増加
建設コンサルタント会社でのISO9001認証取得が増えている?
と感じるさせるかのように、最近、立て続けに建設コンサルタント会社よりISOコンサルティングのご依頼をいただきました。
建設工事会社のISO9001取得支援は多くしてきましたが、それに比べて建設コンサルタント会社のISO9001取得支援の割合は少ないです。
立て続けに建設コンサルタント会社からのISO9001コンサルの依頼があったので、今回は建設コンサルタントのISO9001認証取得に関する話題です。
当社・ISOコンサルのご紹介(料金)
はじめに、当社ISO支援ネットのプロフィールをご紹介します。
当社は、全国の企業に、業種関係なくISO9001とISO14001認証取得の支援をしています。
コンサルタント料金は組織人数による全国一律料金、出張費の請求はありません。
コンサルティング料金をHPで公開しているのでご覧ください。
さて、建設コンサルタント会社でのISO9001取得の話にもどります。
今回、建設コンサルタント会社からのご依頼が続いています。建設コンサルタント会社と一括りにしても、多くのコンサルタント会社の認証取得支援をする中で色んな分野の建設コンサルタント会社があることを実感しました。
建設コンサルタント会社もいろいろ
過去を遡ると、北海道では農業土木の建設コンサルタント会社であったり、港湾系の建設コンサルタント会社をされている会社もあったり、建設コンサルタント業界にもそれぞれの分野があったり、規模が違ったりと幅が広いですね。
また、建設コンサルタント会社の業務内容も色々です。測量~調査~設計までを一貫して行うのが建設コンサルタント会社かと思っていましたが、ISOコンサルでご支援した会社の中には、測量や調査等のフィールド業務は外部委託していて設計部分に特化している会社もありました。
これは建設コンサルタント会社だけに限らず、同じ業界内であっても会社が違えば、仕事内容はもちろん、その会社の文化や考え方など様々です。ISOコンサルを20年以上経験してきて実感しています。
ISO9001取得において、同業でも会社によって仕事や考え方が異なるというのは重要な側面です。
ISO9001は他の会社の真似をするものではない
10~20年前の話になりますが、当時、ISOコンサルタントやISO審査機関の立場が非常に強い時代で、ISOを取得したいなら「これをやれ」「あれをやれ」と業種や規模に関係なく、一律して同じやり方や文書作成をコンサルタントや審査員が押し付けるという時がありました。
大企業のISOを真似をした結果
当時にISO取得した多くの企業は、先行してISO取得をしている企業の真似を強いられました。
先行して取得している企業というのは、資本や人数にも余裕のある大企業のことです。大企業ではISOの専任がいたり、ISO専門の部署を設けて活動していること、そういった負担や手間のかかるやり方を中小企業にも要求し、当時にISO取得した中小企業は、取得するまでの準備も負担でしたし、取得後の維持運用、そして今現在までも多くの負担が続き大変苦労されています。
そういった企業は今でもその負担のかかる取組みがISOだと信じて苦労を続けておられ「ISOは大変だ」と周囲に漏らしています。また、まだまだ当時の考えで活動しているコンサルタントや審査機関も多くあります。
現在のISO9001について
当社のISOコンサルでは、「ISO9001取得にはこれが必須です」とか、「この文書を作ってください」といった、ISOのためだけに行う意味のない活動や通常活動に必要性のない文書作成を一方的に押し付けることはありません。
当社は、どんな業種や業態の企業様でも、ご負担なく認証取得していただくことと、ISOを取得した後も負担なく、しかもコンサルサポートなしで維持運用していただけるようにご支援しています。
この辺の話をすると営業的な話になりますので、詳しいことは当社HPや、こちらのページの最後にISO説明の動画を掲載していますのでご視聴ください。
これからISO9001取得をする建設コンサルタント会社
今回は、建設コンサルタント会社さんのISO9001取得の話です。
このページを見ていただいている方々の中には、建設コンサルタント会社の経営者や社員の方でこれからISO9001を取得しようかどうか、検討されている方もいらっしゃると思います。
ISOについて「大変だ」という噂を耳にしていることもあるかもしれませんが、現在(2024年)のISO9001は、負担なく取得していただくことができるようになっています。「できるようになっている」というのは、負担なく取得もできるし、周囲の噂で聞くような負担をかけて取得することも可能です。
ISOを取得した方が良いのかどうか検討されている、それはISO取得にかかるご負担や費用、またまた社内での反応や反対があって迷っているというケースもおありかと思います。
まずは現状のままISOを取得すること推奨
当社のISOコンサルでは、まずは取得しようとする企業の現状の仕事のやり方を崩さず取得することを推奨しています。
多くの企業が、先にも触れたとおり、ISOを先行して取得している企業の真似をして、結果、大きな負担や苦労が発生しています。
カレーの話とISO、何が良いのか悪いのかは自社の考え次第
例えば、いきなり料理の話になりますが、カレーを作るとなったとき、簡単にさっと調理して作る事も可能ですし、色々細部までこだわって負担や時間、コストをかけて作る事も可能です。
どちらもカレーであることに変わりませんし、どちらが良い悪いや、カレーとはどうあるべきかは、カレーを作る人、食べる人である当事者が好みや事情で決めれば良い事です。
簡単に調理したから不味い、コストをかけたから美味しいとはならず、費やした負担やコストに比例しないことも充分にあり得ることです。
ISO9001も自社次第
ISOも同じく、負担なく取得することも、負担をかけて取得することもできます。どちらもISO取得に変わりません。
当社では、ISOに負担とコストのかけている企業の方が、質の悪いISO、表現を変えると効果が小さかったり意味のないISOとなっているケースが多いと感じています。
ISO9001の規格が目指しているのは「顧客満足向上」と「継続的改善」です。
建設コンサルタント会社で言うと、発注者の意図をよく理解し、発注者が満足する報告書を納めるための活動、この活動をスムーズに間違いなく実行できる仕組みを建設コンサルタント会社の中に構築するというのがISO9001です。
ISO9001は売上や利益を上げることが目的
ISO9001を導入することは、測量や調査、設計といった自社活動のルールを明確にし、間違いなく確実に、できれば効率よく報告書を仕上げて納め、自社の売上や利益を上げていこうという活動です。
先行してISO9001を取得している企業は、ISOのために大変なルールや膨大な文書を導入して、そのお陰で売上や利益が上がっているでしょうか。多くの場合、反対にISOのせいで面倒なことが増え、負担やコストが増えて、ISO9001が目指すこととは逆の質の悪いISOになっていると想像します。
そもそも、ISO9001の本来の目的を今も知らず、認証取得や認証維持が目的となってしまい、本来の目的からすると意味のない活動になっている企業が多くあります。
ISO9001は改善できる下地をつくること
建設コンサルタント会社のISO9001取得においても、まずは現状の活動をあまり変えず、現状ベースでISOを取得することが良いと思います。
ISOの取組みの中には、現状を明確にして徐々に改善していきましょうという事が組み込まれています。その取組みを上手く活用して、ISOを運用することで、仮に少しずつでも段々と良くなることを進めていけば、2年、3年と積重ねていくことで負担を感じないまま会社が少しずつ変化していくことを体験できると思います。
この段々良くなっていくというのは、ISO取得に関わらず、どこの企業も望んでいることです。
継続的に改善を実行するモデルをつくる
ISOでは継続的改善という言葉を使いますが、ISOは少しずつ改善されていく経営モデルを提供してくれています。その経営モデルを、決して他社の真似をするのではなく、自社の現状に組み込んでいくことで、ISOも目的としている顧客満足と継続的改善が実現していきます。
また、建設コンサルタント会社の取得にあたって注意することは、ISO9001が元々は製造業を想定した規格のため、ISO用語がマッチしない部分があります。
ISO9001の言葉のギャップ
代表的な言葉を紹介すると、ISO9001規格の要求では「製造」という言葉がでてきますが、建設コンサルタント会社では「製造」という言葉は使わないはずです。
ISO規格が製造としている部分の要求が、建設コンサルタント会社ではどのような業務であり、どのような言葉が相応しいのか、規格を理解した上での言葉の変換は、社員の方々がISOを理解したり運用していく上で重要となります。
当社のコンサルでは、規格要求で使っている言葉を各業種の業務内容に合わせて置き換えることを推奨しています。
ISOの言葉より、自社に合った言葉で運用する
ISO規格の言葉に合わせて、文書などを作成すると、せっかく取得したのに、ISO取得に関わった人しか分からない内容となり、運用定着を阻害します。
かと言って、過度に置き換え過ぎてしまうと、デメリットもあるので良い加減の言葉を選択するのが難しいところかもしれません。
当社では、建設コンサルタント会社はもちろん、過去には高齢者介護施設などでのISO取得支援の実績もあり、様々な言葉の変換をしてまいりました。その面でも良いご支援ができると自負します。
[この記事を書いた人]
長谷川 順 ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ。現在、東京と関西を拠点に全国コンサル訪問を展開中。26歳で現職の経営コンサルティング会社に転職し、2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティングとISO研修を提供、継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。
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[動画]ISO9001取得「活動・費用の負担は?」
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[動画]「ISO審査の話」これで審査準備はもう不要
ISOの審査が大変で「やめたい」という企業もでるくらい審査は恐ろしい?(ブログ:やめた企業)。しかし、審査の意味がわかれば、審査準備も不要で、審査の目的を理解したら全く恐くありません。
[動画]ISO9001取得の意味、目的、効果
正しい理解をすれば、ISO9001の負担はありません。本来、ISO導入は会社にとって負担どころか、会社が良くなるプラスの効果が働くものです。決して間違った負担のあるISOにならないように。
ISO9001コンサルティング料金(人数別の料金表、社員2人~80人)