ISO9001と27001、IT系やWEB会社はどちらを取得する?コンサルタントの意見

情報システム開発の会社など、IT系企業のISO9001取得が増えています。

当社でも、現在(2021年)、システム開発やWEB関係のIT系企業のISO取得のコンサルティングを進行中です。

取得を検討されている企業からの問合せをいただく回数も増えています。

情報システム会社会社、WEB会社、IT系企業からの質問

中でもよく質問されるのが、

「ISO9001とISO27001は、どちらを取得すべきですか?」

という質問です。

事情や状況によって、どちらを取得すべきか変わります。

検討されている理由をお聞きすると、

・取引上や顧客からのISO取得要請が高まり、必要となってきた

・ISO取得で会社の信用性を高めたい

・ISO取得を営業に活かしたい

といった事情が多いようです。

IT系の会社が、ISO9001とISO27001のどっちを取得するか迷うお気持ちは分かります。

まずは製造業の事情を参考に

製造業では、圧倒的にISO9001を取得している企業が多く、ISO9001と27001のいずれかで迷っている話は聞いたことがありません。

その理由は、製造業の場合、取引先が取得を望んでいるのがISO9001だからです。

顧客が望む理由は、大きくは次の2点です。

「約束した品質のものを確実に提供してほしい」

「品質を管理する仕組みをもっていて欲しい」

IT系の業界となると、

製造業とは異なり、ISO9001とISO27001の両方2つの規格を取得している企業もありますし、ISO27001だけを取得している企業も多いので、これからISO取得しようとするIT系企業は、どちらにするか迷われるのかと思います。

一般的な印象として、

ISO9001は製造業のISO規格で、

ISO27001は、システム開発などのIT系のISO規格という偏ったイメージがあるのも、迷わせてしまう一因ではないでしょうか。

ISO9001とISO27001の違いを解説

どちらを取得するか迷っている企業に方に、少しでも迷いを解消していただきたく、

そもそもISO9001とISO27001って、どういう違いがあるのか、少し説明したいと思います。

ISO9001とISO27001の違いをざっくり言うと、

ISO9001は企業の事業経営の規格で、

ISO27001は、情報管理の規格です。

ISO9001=事業経営の規格というのは、

ISO9001は製品やサービスといった「価値」を提供する事業活動に関する規格で、営業から設計、仕入・委託、製造・サービス提供、検査、納品までの活動を対象としたISO規格です。

上記の活動の流れを聞くと、やはりISO9001は製造業向けの規格であるとの印象を受けやすいですが、上記の流れの「製造・サービス提供」の部分は、IT系の企業では、設計した後の「プログラム作成やコーディング」といった業務が該当します。

ISO9001を取得すると、国際ルールに基づいて、モノづくりやサービスといった価値を作り込み、提供していることが認証されているということになります。

システム開発会社やインターネット関係の会社も、システムを構築して作ったり、ネットサービスを提供する事業活動をしているので、ISO9001を取得することは検討する価値があると思います。

なぜ、製造業でISO9001取得が多いかと言うと、製造業では仕入先も管理するという文化が定着していたり、しっかりとした事業活動(モノづくり)をしている仕入先から買いたいというニーズがより高いからです。

ISO27001=情報管理の規格というのは、

企業が保有する情報や、顧客などから預かった情報を正しく、適切に、または、厳重に管理する活動を対象としたISO規格です。

情報というのは、その企業が大切に保護すべき情報で、電子データや紙などの書類等、媒体を問いません。システム開発のデータや、WEBのデータも当然該当しますし、著作権や知的財産、個人情報など、様々なものが情報に該当します。

製造業も、図面などの設計情報、著作権等の知的財産の情報を取り扱うのでISO27001を取得する意味はあると思います。

ISO27001を取得すると、国際ルールに基づいて情報を適切に、厳重に取扱い管理していることが認証されているということです。

違いをまとめると、

ISO9001とISO27001の違いを簡単にご説明しました。いかがでしょうか。

ISO9001は事業経営の規格で、仕事を計画的に実行すること、業務を改善することで、事業経営の向上を図るのはISO9001です。

一方、ISO27001は情報の保護管理に関する計画(ルール化)と改善を行い、管理体制を向上させる規格です。

どちらを取得するか、判断するポイントですが、

事業活動の基盤を向上させたいという企業は、ISO9001取得が良いかもしれませんし、

情報管理の管理体制を向上させたいという企業は、ISO27001を取得されるのが良いでしょう。

また、取引先など顧客がどちらを望んでいるか、ということも判断材料にすると良いでしょう。

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ、12歳から東京に移り住む。26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001審査員補、ISO14001審査員補(JRCA登録)。

埼玉県で環境・ISO14001の内部監査員研修を実施した事例です。

埼玉県でISO14001の内部監査員研修を実施してきました。

ご依頼いただいたのは、埼玉県内で廃棄物処理事業をされている会社で、埼玉県内の各地に事業所を構えているゴミ処理事業の会社です。

業種によっては、コロナの影響を受けて停滞している会社もありますが、ゴミ処理の事業は変わらず忙しいようです。

人間が生きていたり、活動しているということは、ゴミも出るということですからね。

コロナの影響で、病院関係のゴミは増えているようです。病院や医療関係の事業では、消毒や取替え交換など、コロナ以前よりゴミは増えてそうですね。

今回、環境のISO14001の内部監査員研修のご依頼をいただいたのは、業務多忙の中、ISO担当をしている方の退職などもあり、ISO審査を目前に内部監査が実施出来ていない事態となり、急遽ご依頼をいただきました。

当社にお問合せいただき、急なご依頼でしたが、たまたま当社も日程の空きが出来たところに研修を組込むことができ、ISO14001の内部監査員研修を実施することができました。

こちらの企業は、埼玉県内にいくつもの事業所をお持ちで、各事業所から代表の方が研修に参加いただきました。

中には、自主的にISOを理解したいのでと研修に参加された社員の方もいらっしゃり、皆様、熱心に受講していただきました。

当社が運営するISO支援ネットでは、ISOのためのISO活動にならないことを推奨しています。

埼玉県内に限らず、日本国内ではISO取得が取引上、必要で、仕方なくISOを取得して運営している企業も多いかと思います。

そんな企業では、ISOのためのISO活動になりがちで、ISOが全く経営に寄与しておらず、負担でしかないということも珍しくありません。

当社ISO支援ネットでは、ISO14001の活動が企業経営のためになるように捉えて、ISO運営や内部監査を実施していただけるよう研修でも話しています。

そうしなければ、ISOの運用や内部監査は、企業にとって負担にしか感じない無駄なものになってしまうからです。

どうせISO14001において環境の取組みをするなら、ISOだけのためではなく、経営にプラスになる活動にしていただきたいものです。

実際に、環境の取組みを経営にプラスにしている企業もあります。

そんな事例を交えて、内部監査員研修を実施しています。

埼玉県でISO14001の内部監査員研修をご検討されている企業様は、是非、当社にもお声かけください。


ISO支援ネットの内部監査員研修をご覧ください。

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ、12歳から東京に移り住む。26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001審査員補、ISO14001審査員補(JRCA登録)。

ISOコンサルで福岡から長崎へ

長崎の佐世保にある製造業をされている会社のISO9001コンサルティングを実施しています。
昨年(2020年)4月からコンサルティングを始めるところでしたが、ご存じのように新型コロナウイルスの影響にて延期。
夏を過ぎたころからようやくISO9001の取得準備を開始。順調に進行して、先日、審査機関の1回目の審査を受けました。

佐世保駅の駅舎にカメラを向けて

初めてISO9001を取得するときの審査は、2段階での審査が行われるので、審査が2回あります。

こちら佐世保の会社の1回目の審査は特に大きな指摘もなく、2回目の審査も問題なくパスしてISO認証を取得できそうです。

佐世保をはじめ長崎は造船業が盛んな地域で、コンサルティングした会社も一部は造船関係の仕事をされていました。造船関係の取引きは、船級規格などに対応が必要で高い品質や技術を求められる産業ですね。

こちらの社長の話では、造船業は浮き沈みが激しい業界で、造船以外の仕事もしっかり確保していく必要があるとのこと。そのためにも広い業界で仕事をしていくには、船級規格に対応できるという実績だけではなく、ISO9001という国際認証が必要ということで、ISO取得に踏み切られたそうです。

長崎の造船業界だけではなく、製造業は新型コロナウイルスの影響による停滞など、全国的にどこの分野も厳しい状況にあります。ISO取得を契機に、今後より広い分野で活躍されることを期待します。

福岡空港の前から空港を撮影

さて、今回のISOコンサルティングで何度か長崎県を訪問しましたが、先日は、福岡空港から九州に上陸して、長崎県へと訪問しました。
福岡から長崎に行くには、佐賀県も通過するので、九州の三都を行き来してきました。

桜も咲き始めた季節で、海だけではなく、山の景色もきれいでした。いろんな地域に訪問して、その土地の風情に触れられるのもこの仕事の良いところです。
九州にはまだまだ良い所がありそうです。長崎、佐賀、福岡以外でもご依頼いただければ参ります。

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ、12歳から東京に移り住む。26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001審査員補、ISO14001審査員補(JRCA登録)。

ISO9001取得は負担がかかるか、ISO規格の意味を理解

取引先の顧客からISO9001を取得するように要請があった。
困ってしまいますよね。
噂によると「ISO9001ってとても負担がかかる」らしい、ただでさえ人手不足なのに、ISOのせいで今以上にやることが増えたら、社員も悲鳴をあげてしまう。

会計業務を税理士や会計士に任せているように、ISOも外部のコンサルタントに頼んで、余計な負担がかかることは全部外部に任せよう。
そんなことをお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ISO9001取得と維持=負担がかかる

こう考えている方は、ISO9001のことを少し、もしかしたら、とても誤解しています。
周囲の噂で「大変だ」と言っていることに惑わされているかもしれません。

そんな方は、ISO9001って何をする規格なのか、まず、そのことを理解されることをお奨めします。

ISO9001は、何をする規格か、大きく2つの側面があります。

1つは、「仕事のルールを明確にする規格」であり、
もう1つは、「顧客満足と改善の規格」です。

仕事のルールを明確にするという意味ですが、ルールと言うと面倒に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ルールは組織がスムーズに活動できるために欠かせないものです。

ISOを取得していないどんな企業でも、必ず自社のルールが存在し、ルール通りの活動しています。

私はこれまで従業員が5名未満の企業から1000人超の企業のISOコンサルをしてきましたが、ルールがない企業は1つもありませんでした。当然のことかと思います。どんな企業も毎日決まった原則で活動しているからです。

これを読んでいる皆さんの会社にも必ずルールがあるはずです。ルールと言うと難しく考えてしまうかもしれませんが、その会社に定着している仕事のやり方です。それがルールです。
仕事のやり方が定着していないと、毎朝、社員が出社してきて、それぞれがどのように動けば良いのか混乱してしまいます。
混乱していないということは、そこに立派なルールがあるということです。

どんな企業にも定着した仕事のやり方、ルールがあることはご理解いただけたと思います。

もう1つの「顧客満足と改善の規格」ということですが、
お客様を満足させて売上をどんどん上げていこうというのが企業組織です。
加えて、ミスや間違いを発生させないように効率よく仕事をしていこうというのが組織でもあります。
ISO9001の顧客満足とは売上を上げていく規格であり、改善はミスを減らして効率よく仕事をしていくように工夫をしようということです。

ISO9001は負担を増やすためのルールではなく、仕事をスムーズに、且つ、顧客の満足をどんどん高めて売上を上げていこうという規格です。

余計な仕事や活動をする規格ではありません。

顧客満足を高めて売上を上げていく、色んな工夫をして改善して、仕事をしやすくする、これがISO9001が考え、求めていることです。

ISO9001って大変だよ。と言っている企業の人たちは、全くこのことを理解せず、売上や改善につながらないルールを作って、悲鳴をあがているだけです。

これからISO9001を取得されようとしている企業の方には、「ISOは負担が大変」と言っている企業の人たちと、決して同じ轍を踏まないようにしていただきたいものです。

取引先からの取得要請があり、ISO9001は負担がかかるから取りたくない、と思っている企業の皆様、ISOは負担がかかる規格ではありません。それは間違いです。

ISO9001は自社が毎日取り組んでいる活動をきちっとルール化して、顧客満足を高め、効率よく働けるように改善する規格です。

ISO9001を取得して運用していくことは、顧客満足を向上させ、改善を実行していくツールを導入するということです。 会社がどんどん良くなっていくことを目指す規格を導入するということです。

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ、12歳から東京に移り住む。26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001審査員補、ISO14001審査員補(JRCA登録)。

ISO9001の自力取得、メリット・デメリットを比較

ISO9001のコンサルタントをしていると、ときどき「コンサルタントに頼まず、自力で取得できますか」という質問をいただきます。

そんな疑問の答えとしては「どんな企業でも自力で取得できると思いますよ」と回答しています。

しかし、皆さんがお聞きしたいのは「自力で取得できるか、どうか」だけではなく、「自力で取得すると、どれくらい大変なの?」という疑問を解決されたいのだと思います。

今回は、ISO9001の自力取得について、その負担にも触れながらメリット・デメリットを考えたいと思います。考えるのは、私(長谷川)、20代からISOコンサルタントをはじめ約20年、その経験から説明いたします。

まず、ISO9001の自力取得の最大メリットは、コンサルタントに依頼しないので、コンサルタント費用のコストが発生せず、安く取得できる。これに尽きると思いますが、他のメリットも含めて考えてみたいと思います。

[自力取得のメリット]
・コンサルタント費用が発生しない(安く取得ができる)
・自力で取得するためにISOの勉強を多くする
・コンサル任せではないのでISOに対する当事者意識や真剣度が上がる
・チャレンジしたことに対する達成感を得られる
・苦労や経験がその後の糧になる
・取得後もコンサルタントのサポートを受ける必要はなく、さらにコストが抑えられる
・自力で取得したことを自慢できる(おまけ)

他にもメリットがあるかもしれませんが、代表的なメリットとしては以上のようなことが考えられると思います。

メリットに対して、自力取得のデメリットはどうでしょうか。

[自力取得のデメリット]
・何をどう進めればよいのか要領がわからない
・負担が大きい(コンサル依頼と比較して)
・時間(手間)がかかる
・合格ラインがわからないので、必要以上の手間をかける
・構築したシステムの出来が悪い可能性が高い
・システムが悪いと取得後の運用負担が大きい
・専門家に頼れないので不安

自力取得のデメリットは以上のようなことが考えられます。
最大のメリットが「費用を安く抑えらえる」に対して、

自力取得の最大のデメリットは、
過度なシステムや文書を作って、作ることの負担、それを運用する負担が大きくなる可能性が高い。ということです。
他の企業のシステムを真似して作り、運用に苦労している企業が多くいらっしゃいます。

仮に、ISO9001取得を「自動車を造る」ことに置き換えると、

専門家のサポートを受けて、車を製造する場合、指導に従ってスムーズに製造が進み、しかも、性能や燃費の良い車を製造することができます。
その自動車は、実際の走行もスムーズで、負担なく簡単に走行させ続けることができます。
専門家に頼むと良いことばかりですが、専門家のサポートを受けて製造するので、専門家に支払う手数料(コスト)が発生します。

自働車を自力で製造する場合、
専門家に頼む費用は発生しませんが、出来上がるのに手間取り、時間がかかり、その出来上がった車の性能も専門家のサポートを受けて作った車と比較すると、走行能力は期待できません。

しかし、自力での製造は悪いことではありません。車を自作したことによる苦労や経験はかけがえのないものになると思います。
ISO9001も車も、一度作って終わりではなく、維持し続ける必要があるので、運用しながら、改良を重ねて良いものにしていくことは充分に可能です。

ただし、改良をすればということが条件になるのをお忘れなく。
ISO9001は運用しながら改善できるシステムですが、改善しないまま、負担の大きいシステムを苦労して維持し続けている会社が大変多いのです。

皆さんも「ISOは大変だ」という話を一度はお聞きしたことがあると思います。ISO9001は2015年版以降、負担のかかるシステムではなくなりました。
ひと昔まえは、大企業も中小企業もみな揃ってF-1カーや高級車のようなレベルの高いシステムを構築し運用することが求められ、そのため、特に中小企業は取得も運用も負担が大きい規格でした。

2020年現在、最新のISO9001は、それぞれの会社のレベルにあった軽自動車でもバイクでも、自転車でも自社に合っているもの、扱いやすいものを自由に選らんで作れる規格になりました。
「大変だ」と言っている会社が多いのは、身の丈に合わない重たいシステムを今でも運用しているからです。

ISO9001を自力で取得することについて、

自力取得で注意しないといけないことは、取得することだけを目的にせず、「自社にあったシステムを構築する」ということに主眼を置いて取組みをしないと、取得自体も取得後の運用においても負担が大きくなります。

そこを理解しながら、やる気のある会社は、是非、ISO9001の自力取得に挑戦していただいて良いと思います。ただし、取得した後も、改良をし続けていただくことが必須です。

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ、12歳から東京に移り住む。26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001審査員補、ISO14001審査員補(JRCA登録)。

ISO9001取得の難易度と費用。2020年の最新情報

最近のISO9001は、10年前と違います

これからISO9001の認証取得しようと考える企業にとって、最初に考えることは、大きく次の2つではないでしょうか。

1つは、どれくらいの費用がかかるか

もう1つは、どれくらい大変なのか

初めてのことは何でも不安になるものですね。

しかも、ISO9001の取得となると、周囲の噂、特に取得している企業の人達の話を聞くと、とてもとても大変で、そんな話を聞いてしまうと、未知の想像だけで相当の難易度を上げていらっしゃるのではないでしょうか。

不安になるのも当然のことと思います。

そんな話を聞いても、今後のビジネスを考えると、できればISO9001の認証取得をしたいとお考えかと思います。

ISO9001の取得の難易度は 10年前と今では異なります。

例えば、古い機械は、メンテナンスが大変で手間がかかったりしますが、最新の機械はメンテナンスフリーで管理が簡単な場合があります。

10年前に取得した企業の苦労話で不安になるより、最新の事実を知って取得をされるかどうか考えていただければと思います。

古い情報を信じて、ISO9001を誤解をされている方がとても多いのです。

そこで、2020年現在のISO9001の認証取得について、費用や難易度を説明いたします。
説明するのは、私(長谷川)、20代からISOコンサルティングを始めて約20年、その経験と情報からお話します。

まず、費用について

ISO9001の認証取得にかかる費用内訳は、次の3つの項目を考えていただくと良いと思います。

1)取得前の準備にかかる費用(コンサルタント費用)
2)審査を受ける費用(審査費用)
3)認証後の維持費用(審査費用+コンサルタント費用)

これら3つの費用が全てかかる訳ではありません。

絶対に必須なのは審査費用だけです。
依頼するコンサルティング会社や審査機関をどこにするか、選び方によっても料金が大幅に違います。

それでは、費用について、1項目ずつ解説します。

1)取得前の準備にかかる費用(コンサルタント費用)

コンサルタント費用は、自分たちで自力で取得すればコストは「ほぼゼロ」です。
自力で取得するにしても、研修を受講して勉強するということがあるかもしれないので、多少の費用はかかるかもしれません。

やる気のある会社は、自社で取得をされるのも良いでしょう。自力取得もメリットとデメリットがありますが、最大のメリットはコンサルタント費用がかからないということでしょう。
自力取得のメリット・デメリットの比較

コンサルタント費用

コンサルタントに依頼する場合、当然、費用がかかります。
費用がいくらか?は、依頼するコンサルティング会社、自社の企業規模などによって決まります。

どこのコンサルティング会社に依頼してもISO9001の認証は間違いなく取得できると思います。完全な素人みたいな人に頼まない限り。

コンサルタント費用の具体的な例を紹介すると
仮に従業員20人ほどの企業であれば、コンサルタント費用は60万円(税別)です。(2020年6月時点、人数別コンサルティング料金表
この料金は、安い方だと思います。
ただもっと安いコンサルティング会社もあるでしょうし、100万円、200万円以上のコンサル費用を請求するコンサルティング会社もあるでしょう。

コンサルティング会社によっては、最初の取得時のコンサルは低価格で請負い、取得後の維持のコンサルティング費用を半永久的に請求する方式のコンサル会社もあります。
このコンサル方式が決して悪い訳ではないのですが、ご理解してから依頼されると良いと思います。

また、コンサルティング会社のコンサル内容ですが、これもコンサル会社によって異なります。
アドバイスを中心としたコンサル会社もあれば、文書の代理作成や研修などもしてくれるコンサル会社もあります。

コンサル会社の違い(1)

例えば、ISOを取得・維持するために「内部監査」という自社内での相互チェック行為を、従業員の中から内部監査員を養成して実施しなければなりません。
この内部監査については「セミナー屋さんで何人か研修を受講してきてください」というコンサル会社もあれば、コンサル会社が費用内で研修を実施してくれる会社もあります。

コンサル会社の違い(2)

選んだコンサルティング会社の考え方によって、準備にかかる負担はもちろん、取得後の運用面での負担が異なります。
簡単に言うと、大企業並みのレベルの高い要求をするコンサルタントもいれば、高いレベルを求めず取得を指導するコンサルタントもいます。

どちらが良いかは、これも考え方によりますが、やる気のある企業であれば高いレベルを目指すのはとても良いことです。
しかし、そうではないのにレベルの高いことを追求すると、負担が重なってISOが面倒と感じるので注意してください。

2)審査を受ける費用(審査料金)

次に、ISO9001を取得するためにかかる審査費用ですが、これは必須の料金です。
依頼する審査機関と自社の従業員人数によって料金が異なります。

ISO9001の審査を実施してくれる審査会社(=審査機関)は日本国内に約50社あります。
この中から自社で審査機関を選び、自社で依頼して審査を受けます。

いずれも国際認証の審査をする会社なので、国際ルールに従って、同じ基準で同じ審査が実施されることになっています。
とは言っても、それぞれ審査機関によって個性や特徴があります。自動車免許の教習所のような感じです。

審査料金について、一例をあげると、
仮に従業員20人の企業である審査機関の認証登録の審査料は約35万円です。

この料金はあくまで参考ですが、比較的、低価格な場合の審査料金です。
審査料金は、企業の規模・業態によって、審査日数が変動するので、同じ審査会社でも会社が変われば金額が変わるということがあり得ます。

審査機関を選ぶのに、どんな視点で考えるかと言うと、次のようなことがあります。
・審査料金
・審査の技量・方針(レベル、細かさ、柔軟性)
・ブランド(信用、知名度)

この3つのことは重要なので、審査機関を選ぶ際は、自社の要望をコンサルタントに伝え、コンサルタントに選定してもらうと良いでしょう。

3)認証後の維持費用(審査費用+コンサルタント費用)

取得後の審査料金

ISO9001の認証取得をすると認証マークが与えられ、その認証を維持しなければなりません。

認証(書)の有効期限が3年なので、取得してから3年目(3年毎)に更新審査があります。
また、審査は3年に1回だけではなく、3年目を迎える中2年間も、毎年、運用確認の維持審査があります。
結局、毎年審査があります。なので、認証を取得すると、毎年、審査費用が発生します。
認証取得後の審査料金は、初回の認証登録のときの審査料ほどは高くなりません。


審査料金について、一例をあげると、
仮に従業員20人の企業であれば、毎年の維持審査料金が10~15万円、3年目の更新審査料金が20~25万円です。

この例にあげた審査料金はやや安い方かと思います。審査機関によってはこれ以上高額な料金になる場合もあります。

取得後のコンサルティングの必要性

認証取得後のコンサルタント費用については、これは必須ではありません。
取得後もコンサルタントのサポートを希望するなら、料金が発生しますし、サポートを受けなければ、費用は発生しません。

注意していただきたいのは、
取得後もコンサルタントのサポートを受けると料金が発生するが、「その分、負担が軽くなる」というのは間違いです。間違いというか、それは10年前以前に取得した企業のやや古いISOです。

2020年現在、ISO9001は負担なく運用できる規格に変わっています。
何が変わったかというと、規格の内容も変化していますし、それに応じてISOの審査機関、コンサルタント、それぞれも昔と比べ考え方が大きく変化しています。

10年前、20年前のISO9001は、確かに、負担のかかる規格でコンサルタントの支援も必要だったかもしれません。

2020年の現在は、「負担のかからないように取得ができる」規格になっています。

もし、取得後のコンサルタント費用をかからないようにしたいのなら、

取得前の準備する段階から、取得後の運用を見据えて、負担のかからないように取得することが必要です。

そのようにしないと、現在でも、取得後に負担のかかる取り方をしている企業、コンサルタントもいるからです。

負担のかかるISOの取り方とは、
例えば、小規模企業が大企業並みの重厚な取り方をするということです。重厚な負担のかかるISOが決して悪い訳ではありません。

コンサルティング会社の戦略として

コンサルティング会社にとって「取得後のサポート料金」という名目で半永久的に企業から料金を請求できることは有難いビジネスです。

なので、コンサルティング会社の中には、取得後のコンサルティング料金の徴収を前提に、初期の導入部分であるISO取得のコンサルティング費用を安くして、お客様を獲得しているコンサルティング会社もあります。

10年前、20年前の負担のかかるISOを維持している企業にとっては、「コンサルサポートのお陰でISO維持が楽になった」ということはあるでしょうから、ずいぶん前に取得した企業側にとっては有難いサービスかと思います。

これから取得する企業は、最初の取得前の段階から負担のかからないISOにしておけば、取得後も自社で充分にISOを維持でき、取得後のコンサルティング費用をかからなくできます。

取得後のコンサルティング料金(0円~10万円)

取得後も負担がかからずコンサルタントの外部サポートを受けないように取得すれば、費用は0円です。

取得後もコンサルティングを依頼する場合、費用は、選択するコンサルティング会社と、自社の規模、ISO規格の数によって異なります。

ISO規格の数というのは、ISO9001以外に14001や27001といった複数のISO規格のサポートを同時に受ける場合です。この場では、ISO9001の一規格に絞って説明します。

取得後のコンサルティングを依頼した場合、一つの規格で、月額3万~6万円、10万円以上する場合もあるでしょう。

金額の違いはコンサルティングの内容によっても異なります。

単純にISOの認証マークを維持するためのサポートもあるでしょうし、ISOの効果を出すために様々な提案や、内部監査やマネジメントレビューに関与するコンサルタント会社もあれば、社員向けの研修やISO以外のサポートをしてくれる会社もあります。

認証取得後のコンサルティングによって、様々なメリットがあり得ます。
営業や利益が向上する、品質が向上する(不良が削減する)、生産性が向上するなどなど、コンサルタントに依頼することは決して悪いことではありません。

ただ、そいったコンサルティングのメリットを望まないのであれば、取得後の費用は0円になるよう自社で自力で運用することをお奨めします。
こちらをご参考にしてください。

運用のための継続コンサルティングは必要ありません

ISO9001の難易度について

ISOが難しい、負担がかかるというのは、ずいぶん昔の話です。昔と言っても10年前、20年前です。

しかし、その10年から20年前の大変なISO時代に取得した企業が一番多く、

「ISO9001=負担がかかる」という話が溢れています。

そのような企業の方々は、確かに大変なご苦労をされて取得したので、「大変だ」と言いたくなるお気持ちも良くわかります。

でもその話を真に受けないでください。いまのISOと10年前以前のISOは負担が違います。違うようにできます。

ISOの難易度、負担については、当社のホームページになりますが、参考になるページがあるのでご覧ください。

ISO支援ネットのコンサルティング

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ、12歳から東京に移り住む。26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。

ISOコンサルタントのレポート、東京都の製造業でISO9001取得コンサル

東京都内の自動車部品を製造している企業で、ISO9001コンサルティングを実施しています。

ISO9001の取得理由・経緯

こちらの企業は、製品を納めているお客様からISO9001を取得しないかと、ずいぶん前から打診があり、その度に「もう少ししたら」と考えられていたそうです。

長きに渡ってお客様から何度もISOについて取得を促されていたので、こちらの経営者も「いつかはISOを取得したい」という思いは本心としてあったそうです。

そんな中、お客様の方が自動車産業の品質マネジメントシステム規格「IATF16949」を取得されることになり、そのお客様から今まで以上により強くISO9001取得を促されるようになったことで、ついにISO9001取得を目指すことを決心されたそうです。

コンサルタント選び、決めた理由

取得を決心されて最初にしたことは、コンサルタント選びをするため、インターネットで情報収集をされたそうです。

そこで、いくつかのISOコンサルティング会社が候補となったそうです。

結果的に、当社を選択いただいた訳ですが、ネットで調べている間に、意図せず何度も当社のページと出くわしたそうです。

こちらのお客様は東京都の23区内に工場を構えている会社なので、インターネットで「東京 ISO9001コンサルタント」や「23区 ISOコンサルタント」というような感じで検索されたそうですが、たまたま当社のページを目にすることが多かったようです。

こちらのお客様の後日談では、当社の「ホームページの説明がわかりやすかった」「コンサルタント料金も書いていたし」「電話で問合せた質問にも丁寧に回答してくれた」と当社のコンサルを選んでいただいた理由を明かしてくれました。

ISO9001の取得準備スケジュール

当社・ISO支援ネットは、認証取得のための準備スケジュールはプログラム化されています。
どんな企業でも、当社のスケジュールに従って進めていただければ、問題なく、また、負担も軽く取得いただけるようになっています。
スケジュールは、コンサルタントが主導して進行するので、企業側は自然にしていただければ結構かと思います。

当社のホームページに取得スケジュールの「進行内容」を表にしているので、ご興味があればご覧ください。
ISO支援ネットのISO9001コンサルティング
(ページの中段以下に表があります)

ISO9001の準備進捗

現在、こちら東京の自動車部品の製造業の会社は、品質マニュアルをコンサルタントが代理作成し、運用をしているところです。

もう少し進捗の内容を説明すると、
「品質マニュアルの作成」は、コンサルタントが企業の現状をヒアリングをして代理作成します。
「運用」とは、品質マニュアルどおりの活動をすることですが、コンサルタントがヒアリングをして、現状の活動をベースに品質マニュアルを作成しているので、運用と言っても、これまで通りの変わりなく仕事をしていただくだけです。

なので、当社が支援した場合は、準備を開始する前と大きな差はないかと思います。
では、なぜISO9001を取得するのか?本当に必要なの?メリットは?
というような疑問もあるかと思います。

ISO9001を取得する理由、メリット

話せば長くなりますが、取得する前と、後では何が変わるか?
いろいろ変わることもありますし、変わらないことも多いです。
メリットは、企業活動そのものや、活動の目的がはっきりするところです。

例えば、品質マニュアルはルールブックです。
コンサルタントが代理作成するのでヒアリングをしますが、その企業には活動のルールがあるのに、ルールと認識せずに活動している企業が多いです。

これを品質マニュアル作成でルールをはっきりさせます。
今までしていた活動と内容も変わりませんが、品質マニュアルが出来上がるとルールを認識して、ルールを上手く守れるように工夫したり、無駄なルールや曖昧なことは無くそうという気持ちが働きます。

しかしながら、

ISO9001を取得している企業の全て、メリットを打ち出せているかと言うと、そうではありません。
旧態依然の古い、重いISOを運用して、大変な苦労をしている企業も、今でもいらっしゃいます。
ISOを取得するにあたっては、自社のメリットや、準備や運用にかかる負担軽減をしっかりして取得されることをお奨めします。

また、ISO9001の活動は、企業が目的を果たすことを要求しています。
目的とは、企業によって異なる任意の目的です。企業によっては、品質向上だったり、売上・利益の向上、生産性の向上だったり、いろいろ自由な目的です。
ISO9001は、その目的を果たすことを要求しているので、ISO9001を取得して運用し始めることで、目的達成の後押しをしてくれることになります。

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ、12歳から東京に移り住む。26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。

緊急事態宣言の「解除」を受けて再開のご案内

日本政府より緊急事態宣言が全面解除されました。
これを受けてISO支援ネットのコンサルティング及び内部監査員研修も再開いたします。

再開に当たっては、新型コロナウイルスの感染防止策を施しながらの活動再開となります。ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

コンサルタント及び講師の対策

1)日頃より体温測定を行い、平熱を把握し、体温に異常がないか監視します。
2)体調不良が認められた場合及び体温に異常がある場合は訪問いたしません。
3)マスクを着用してコンサルティング及び研修を実施します。
4)対話するときは一定の距離を保ちます。
5)その他、貴社の感染対策に従います。

出席される方・会場責任者の方へのお願い

1)体調に異常がある方、体調がすぐれない方は出席をお控えください。
2)出席時はマスクを着用ください。
3)出席者同士が一定の距離を取れる配置及び会場設定をお願いします。
4)コンサルタントや講師に対面質問される場合、一定の距離を保ってください。
5)会場の換気のほか可能な感染対策を施してください。

その他の対策

1)グループ演習は一定距離がとれるようにするか個別演習に切替えます。
2)コンサルタント及び講師への飲み物や食事の提供は不要です。
(弊社では従来より提供をお願いしておりません)
3)オンライン通信(skypeやzoomなど)の利用もご要望にお応えします。

以上、ご案内申し上げます。
その他、感染対策に関して、ご要望等は柔軟に対応いたします。お気軽にご相談ください。

ISO支援ネット
株式会社ウイズダムマネジメント
代表取締役 長谷川 順

コンサルティングのページ

内部監査員研修のページ

仕入先評価方法、ISOコンサルタントが実践する。新潟県での内部監査員研修の質問を交えて。

ISO9001を認証取得している企業では必ず実施している仕入先評価。

先日、新潟県で実施した内部監査員研修のときに、この「仕入先評価」に関する質問をもらったので、そのことを交えてお話します。

企業によって、購買先評価や供給者評価、外注先評価など、いろいろな呼び方をされている仕入先評価。

ISO9001の要求事項8.4項に「購入先を評価しなさい」という要求があるので、ISO9001取得企業は、何らかの方法で必ず仕入先を評価しています。

「ISOが要求しているから、仕方なく評価をしている」という企業も多いですね。

先日も新潟県の会社に訪問したときも「ISOの認証を維持するために評価をしないといけない」という話がありました。

その時のことを交えて、今回は、ISOコンサルタントが実践する仕入先評価の方法、考えについて語ります。ご参考にしてください。

先日、新潟県の企業からISO9001の内部監査員研修のご依頼をいただき、研修を実施してきました。

こちら新潟県の企業は、ISO9001を約20年前に取得されている機械メーカーでした。(仮名:新潟M社とします)

当社・ISO支援ネットの内部監査員研修は、講師が企業に出張訪問して研修を実施する講師派遣スタイルです。

定員は15名で、新潟M社も約10人の従業員が各部門から選抜されて受講されました。

内部監査員研修のプログラムの前半はISO9001規格の解説、後半は内部監査の実施方法を学び、ISO初心者の方でも内部監査ができるように講義と演習を実施します。

研修の前半、ISO9001規格の解説で、8.4項の供給者評価の話になったとき、

新潟M社の社員の方から質問をいただきました。

[新潟M社の質問]
当社は仕入などの外部発注がある各部門がそれぞれ発注先を評価しています。
私は開発担当で、設計の外部委託があるので、設計会社を評価していますが、ISOの評価方法が実態と合わなくて困っています。
他の会社はどうされていますか?

講師の回答:
「困っている」「実態と合っていない」仕入先評価の方法は、評価方法を変えた方が良いでしょう。
一括管理で評価している会社もありますが、各部門で発注先・仕入先を評価しているのでしたら、開発部門に合った評価を実施するのが一番かと思います。

新潟M社:
でも、ISOで決まっている評価方法なので、ISOを維持していくには、この評価をしないといけないのではないですか?

講師:
ISOで決まっている評価方法というのはありません。
ISO9001規格が要求しているのは「評価して記録を残す」ということで、評価の方法は企業の自由です。
今の新潟M社さんの仕入先評価のやり方は、認証取得当時にコンサルタントが教えてくれた方法かもしれませんが、それは新潟M社さんが決めたルールで、ISOが定めたルールではありません。

なので、今のやり方が合っていなければ、評価の方法はいつでも変えていただいて結構です。

各部門で仕入先評価をしているのでしたら、全社統一の評価方法ではなく、部門ごとに評価方法や評価基準を設けても良いと思います。

ISOでは、仕入先評価の方法や基準はルール化しなければなりませんが、方法や基準のルールはいくつ用意しても結構です。

開発部門での仕入先評価のルールや、設計委託先を評価するときのルールなど、部門や相手先でルールを変えるなど、方法は自由です。

以上のようなやり取りが研修の中でありました。

 

少し宣伝ですが、
内部監査員研修で、自分の会社の活動に関して質問できるのは、講師派遣型の良いところです。
集合型研修では、いろんな企業の受講者がいる中、踏み込んだ質問はしにくいですし、講師も多くの受講者がいる中で、1社だけに向けた回答もしにくいものです。

よろしければ→ ISO支援ネットの内部監査員研修(全国対応)

 

こちらの新潟の会社のように、ISOで決まっていることだから「仕入先評価をしなくてはいけない」と思っている方は案外多いと思います。

確かに評価はしなければなりませんが、評価方法や評価の記録様式など、いずれも企業の自由です。

一社一枚の評価記録でも、全社一覧になった評価記録でも、記録は何でもOKです。

例えば、仕入先が発行した見積書に承認サインをする、これも評価記録になります。(どんな風に評価するか、ルールが必要ですが)

ISO9001規格の要求では、仕入先の「再評価」をしなければならない、ということにもなっているので、

毎年、一社一枚の再評価記録を全社分、作成発行している会社もあります。

ISOが要求する再評価のために、その手間暇をかけることに意味や、価値があればそれでも良いですが、出来る限り手間暇はかけない方法がお奨めです。

仕入先評価や再評価は、ISOの認証マークのためにするものではありません。

自社のために実施するものです。

自社が必要な程度、実施すれば良いのです。

ちなみに当社・ISO支援ネットの仕入先評価に関する考えですが、
当社は、ISO9001をまだ取得していない企業であっても、どんな企業でも「仕入先・発注先のことを必ず評価している」との考えでISOコンサルティングを行います。

逆に、仕入先・発注先を評価しないで、取引を始める会社なんてあるのでしょうか。

どんな企業でも、必ず何らかの方法で相手先に対し「取引しても大丈夫か」と評価をしているはずです。

余談ですが、今どき飲食店を予約するときは、ネットを通じて「どんなレストランか」必ず評価してから予約をされているはずです。

会社の取引もこれと同じです。

ただ、その評価方法がルールとしてまで確立していなかったり、認識していなかったり、評価記録としては残していなかったり、するだけかと思います。

なので、認証取得のコンサルティングでは、どんな風に取引が開始されるのかをヒアリングして、その方法をルールとして品質マニュアルに落とし込みます。

今までコンサルティングをした中で、「ここの会社は仕入先を全く評価せずに取引しているな」という会社はありませんでした。

新潟M社の話で言うと、
設計を外部委託する外注先は、必ず自社が要求する設計水準を上回る、もしくは、満たしてくれる会社だと思っているから、発注しているはずです。

「そう思った」という根拠やプロセスが、評価している事実であり、それを評価ルールにすれば実態に合った評価方法ができるはずです。

ISO支援ネットの内部監査員研修では、こちらの新潟M社のように、実践的なご質問は大歓迎です。
講師は、現役のISOコンサルタントまあはISO審査員が出張訪問いたします。

ISO支援ネットの内部監査員研修

ISO支援ネット

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ12歳から東京に移り住み、26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。

文書番号は必要か?いらないか?ISO9001コンサルタントが語る。

ISO9001で取り扱う品質マニュアルをはじめ、品質文書は文書番号が必要か?

ISOコンサルタントがお答えします。

答えは自由です。

文書番号は付与しても、しなくても、どちらでも結構です。

付与しなくても良いのに、多くの企業が、品質マニュアルや品質文書に文書番号を付けています。

それは、なぜか?

昔のISOは文書番号を付けるのが当たり前だったからです。

昔というのは、10年前や20年前、それ以前のISOの話です。

では、なぜ今は文書番号を付けなくても良いのか?

本当は、20年前以前から文書番号は付与しなくても良かったのです(規格の要求事項的には)

まず文書番号が必要だということになっていた理由です。

当時(昔)は、慣習というか、先人企業(大企業)がそうしていたから、それに倣って、どこの企業も文書番号を付けて、それが標準になってしまいました。

当時は、ISOに関わる人の多くが大企業でやっているISOが、ISOのお手本であると考えていたからです。

そのため、ISOコンサルタントやISO審査員の多くも、「文書番号が必要」という解釈をしていたので、皆さん文書番号が必要と思っていましたし、文書番号を付けていました。

文書管理に関して言えば、
昔の1994年版の規格要求では「文書台帳」的なものを規格が要求していたので、台帳管理するには、番号があった方が昔は良かったのかもしれません。

2020年現在、最新のISO9001規格は2015年版です。

現在のISO9001の風潮は、各企業に見合った管理をしましょう。という解釈です。

企業に見合ったというのは、その規模や業種などなど、各企業の実態に合わせて、必要な程度の管理をしましょう。という考えです。

2020年現在、ISO9001の規格要求事項には「文書番号を付与しなければならない」という要求はなく、

「文書を識別しなければならない」という要求があるだけです。

「文書を識別する」とは、その文書が何の文書であるか、最新の文書であるか(古い版ではないか)、判別できるようにしときなさい。ということです。

ISOの取り組みを過剰に解釈している企業では、

識別する=文書番号が必要

という考えで、今も文書番号が必要と思っている方もいらっしゃいます。

文書番号を付けて管理することは、良いことでもあります。

ただし、「文書番号が必要」「規格で要求されている」と信じている人もいるので、その影響を受けないように注意してください。

文書番号を付けるのが間違いではなく、不要ということでもありません。

ISO9001規格の文書管理の意図は、

文書が混在して分かりにくかったり、

文書を取り誤って使用したり、

古い文書を最新版と思って使用したり、

そういった間違いの発生を防ぐために、「文書を識別しなさい」と要求しています。

なので、そのために文書番号が必要だったり、番号を付けておくと分かりやすかったり、管理しやすかったり、そういう企業であれば、文書番号が必要となりますし、

文書番号がなくても、正しく確実に管理できる企業であれば、文書番号は不要ということになります。

なので、文書番号が必要か、不要か、ISOコンサルタントの答えは「自由」です。

文書管理に最低限必要なのは、次の3項目で良いでしょう。

  • 文書のタイトル
  • 作成者(または承認者、または作成者と承認者の両方)
  • 発行日(または版番号、または発行日と版の両方)

最近は、小規模企業のISOコンサルティングをする機会が多いです。

小規模企業は文書の量が少ないので、文書管理において文書番号が必要ということは少ないので、企業の希望がなければ文書番号の付与はお奨めしていません。

ISO支援ネットのコンサルティング

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ12歳から東京に移り住み、26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。