ISO9001は2026年に規格改訂が9月に実施されました。
現在、ISO9001:2015で認証取得している企業様にとっては、
「2026年版になったら何をすればいいの?」
「品質マニュアルを全部作り直さないといけない?」
「移行審査というのは、いつ受ければいいの?」
など、いろいろ気になることがあると思います。
ISO支援ネットは、ISO9001の認証取得コンサルをした企業には、取得後はコンサルタントに頼らず、自社で負担なくISOを維持してもらうという考えでコンサルティングを行っています。
今回の2026年版への移行についても、できるだけ各企業で(自社だけで)対応していただけるよう、今後、動画やブログで情報を発信していきたいと思っています。
今回はその第1回として、ISO9001:2026年版への移行にあたって、企業は何を準備すればよいのか、その全体的な流れをご説明します。
なお、この記事の内容は2026年9月の改訂前の情報をもとにしています。
2026年版への移行を難しく考える必要はありません
ISO9001の規格改訂と聞くと、なんだか難しい話に思えて心配される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、現時点では必要以上に難しく考えていただく必要はないと思います。
ざっくり必要なことをまとめると次の3つです。
① 品質マニュアルを少し改訂する
② 内部監査員が改訂内容を理解したうえで内部監査を行う
③ マネジメントレビューを行う
この3つを、自社が決めた移行審査の時期に合わせて順番に進めていく。
まずは、この流れを理解しておいていただければよいと思います。
この3つの準備については、このページで1つずつ詳しく説明します。
動画でも説明を聞けます。このブログで発信している内容をコンサルタントが説明していますので、動画もご参考にしてください。
2026年版への移行審査は、いつ受けるの?
まず知っておいていただきたいのが「移行審査」です。
ISO9001が2015年版から2026年版に改訂された場合、現在2015年版で認証を取得している企業は、新しい規格へ移行する必要があります。
ここで、
「通常のISO審査とは別に、移行審査を受けなければならないの?」
と思われるかもしれませんが、
移行審査は、毎年受けているISO審査のタイミングで2026年版に切り替える審査を「移行審査」と呼んでいます。
毎年受けている審査のどのタイミングでもOkです。更新審査である必要もなく、維持審査(定期審査)でもいつでも良いので「今回は2026年版への移行審査を受けます」と事前に申告して受審してください。
ただし、移行審査を受ける期限があるので注意です。
2029年夏までに移行審査を受ける必要があります
2026年版への移行には期限があります。
ISO9001:2026年版が正式に発行された後、現在の2015年版で認証を取得している企業は、移行期間内に2026年版への移行審査を受ける必要があります。
現時点では、規格発行から3年間が移行期間になることを前提に、遅くとも2029年夏前までには移行審査を受ける必要があると考えておいてください。
ただし、2029年まで何もしなくてよいということではありません。
移行審査を受ける前に、
品質マニュアルの改訂
↓
2026年版に基づく運用
↓
内部監査
↓
マネジメントレビュー
↓
移行審査
という準備が必要になります。
そのため、自社が毎年ISO審査を受けている時期を確認し、2029年夏前までのいつのタイミングで2026年版への移行審査を受けるのかをあらかじめ決めておくことが必要です。
なお、正式な移行期限については、ISO9001:2026年版の正式発行後に、審査機関から案内される移行スケジュールを必ず確認してください。
移行審査の準備、3つのステップ
では、その移行審査を受けるまでに何をすればよいのでしょうか。
大きく分けると、次の3つです。
① 品質マニュアルを2026年版に合わせて改訂する
② 2026年版に対応した内部監査を実施する
③ 2026年版で運用した内容についてマネジメントレビューを行う
順番に説明します。
① 品質マニュアルを2026年版に合わせる
まず必要になるのが、現在使用している品質マニュアルの見直しです。
今回の2026年版への改訂は、2015年版が発行されたときのような全面的な大改訂ではなく、小規模な改訂になるとされています。
2015年版への改訂時には、規格の構成なども大きく変わったため、品質マニュアルを全面的に見直した企業も多かったと思います。
今回は、そのようにマニュアルを最初から全部作り直すというよりも、現在使用している品質マニュアルを基本として、2026年版で変更された要求事項に関係する部分を修正するという対応になると考えています。
具体的に、
「どの部分を直せばいいのか」
「品質マニュアルをどのような文章に変更すればいいのか」
については、正式な規格が発行された後、ISO支援ネットの動画やブログでも順次ご紹介していきたいと思います。
まず1つ目は、品質マニュアルを2026年版に合わせて改訂することです。
② 内部監査も2026年版に切り替える
品質マニュアルを改訂し、2026年版に基づいた活動を始めたら、次に必要になるのが内部監査です。
品質マニュアルが変わるということは、自社のISOのルールも一部変わるということです。
したがって、内部監査についても、これまでとまったく同じチェック項目ではなく、2026年版の内容に合わせて確認する必要があります。
ここで一つ、大切なことがあります。
内部監査を担当する内部監査員の方が、監査を行う前に2026年版の改訂内容を理解しておく必要があります。
規格が変わっているのに、内部監査員が2015年版の知識のままでは、新しい要求事項に対応した監査ができません。
そのため、まず内部監査員の方は2026年版の改訂内容を学習してください。
学習方法は、必ずしも大がかりな研修でなければならないということではありません。
規格改訂のセミナーを受講する方法もありますし、社内で勉強会を行ったり、規格改訂について解説した動画やブログなどを利用して学習する方法もあります。
大切なのは、
「2026年版の改訂内容について学習し、理解した」
ということです。
そして、その証拠として教育記録を必ず残してください。
そのうえで、内部監査のチェックリストについても2026年版に対応させ、新しい要求事項に基づいて内部監査を実施します。
2026版での内部監査をすることが2つ目です。
③ マネジメントレビューを実施する
3つ目がマネジメントレビューです。
2026年版に基づいた活動を行い、内部監査を実施した後は、その活動について経営者がマネジメントレビューを行います。
2026年版でマネジメントレビューの要求事項そのものが変更されるのか、現在と大きく変わらないのかについては、正式に発行された規格を確認する必要があります。
もしレビューすべき項目が新たに追加されれば、その内容についてもレビューする必要があります。
一方、マネジメントレビューの項目そのものに大きな変更がなかったとしても、2026年版に基づいて行った活動が問題なく運用できているかを確認する必要があります。
これまでと同じように、
「きちんと運用できているか」
「何か問題はないか」
「改善すべきことはないか」
といったことを経営者が確認し、マネジメントレビューの記録を残します。
これが3つ目です。
移行審査から逆算して準備しましょう
ここまでを整理すると、2026年版への移行準備は、
品質マニュアルを2026年版に改訂する
↓
2026年版に基づいて運用する
↓
内部監査員が改訂内容を学習する
↓
2026年版に基づく内部監査を行う
↓
マネジメントレビューを行う
↓
移行審査を受ける
という流れになります。
各企業では、内部監査やマネジメントレビューを実施する時期が、毎年ある程度決まっていると思います。
ですから、まず、
「自社はどの審査で2026年版へ移行するのか」
を決めて、そこから逆算して準備してください。
できるだけ早く移行審査を受けたいと考えたとしても、すぐに移行審査を受けられないケースもあります。
それは審査機関の事情です。規格が正式発行された直後から一斉に2026年版の移行審査が始まる訳ではありません。
実際にいつから移行審査を受けられるのかについては、各審査機関によって開始時期が異なる可能性がありますので、ご利用の審査機関からの案内を確認するか、問合せをしてください。
ISO支援ネットも移行のサポートをしていきます
ISO支援ネットでもISO9001:2026年版について、
「2015年版からどこが変わったのか」
「品質マニュアルのどこを直せばいいのか」
「内部監査では何を確認すればいいのか」
など、実際の企業の皆様が対応する際に役立つ内容を、今後、動画やブログで順次ご紹介していきます。
規格改訂というと難しい話になりがちですが、できるだけ実務に沿って、分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
また、過去にISO支援ネットのコンサルティングを受けていただいた企業様で、2026年版への移行について分からないことやご相談がございましたら、以前やり取りしていたメールからご連絡いただいても結構です。
担当コンサルタントの携帯番号をご存じの場合は、直接お電話いただいても結構です。
最後にご案内
ISO支援ネットでは、現在もISO9001・ISO14001の新規認証取得のためのコンサルティングを行っています。
また、ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)の認証取得コンサルティングにも対応しております。
ISOの新規取得や規格改訂への対応などでお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
[この記事を書いた人]
長谷川 順 ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ。現在、東京と関西を拠点に全国コンサル訪問を展開中。26歳で現職の経営コンサルティング会社に転職し、2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティングとISO研修を提供、継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。
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