ISO9001取得は負担がかかるか、ISO規格の意味を理解

取引先の顧客からISO9001を取得するように要請があった。
困ってしまいますよね。
噂によると「ISO9001ってとても負担がかかる」らしい、ただでさえ人手不足なのに、ISOのせいで今以上にやることが増えたら、社員も悲鳴をあげてしまう。

会計業務を税理士や会計士に任せているように、ISOも外部のコンサルタントに頼んで、余計な負担がかかることは全部外部に任せよう。
そんなことをお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ISO9001取得と維持=負担がかかる

こう考えている方は、ISO9001のことを少し、もしかしたら、とても誤解しています。
周囲の噂で「大変だ」と言っていることに惑わされているかもしれません。

そんな方は、ISO9001って何をする規格なのか、まず、そのことを理解されることをお奨めします。

ISO9001は、何をする規格か、大きく2つの側面があります。

1つは、「仕事のルールを明確にする規格」であり、
もう1つは、「顧客満足と改善の規格」です。

仕事のルールを明確にするという意味ですが、ルールと言うと面倒に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ルールは組織がスムーズに活動できるために欠かせないものです。

ISOを取得していないどんな企業でも、必ず自社のルールが存在し、ルール通りの活動しています。

私はこれまで従業員が5名未満の企業から1000人超の企業のISOコンサルをしてきましたが、ルールがない企業は1つもありませんでした。当然のことかと思います。どんな企業も毎日決まった原則で活動しているからです。

これを読んでいる皆さんの会社にも必ずルールがあるはずです。ルールと言うと難しく考えてしまうかもしれませんが、その会社に定着している仕事のやり方です。それがルールです。
仕事のやり方が定着していないと、毎朝、社員が出社してきて、それぞれがどのように動けば良いのか混乱してしまいます。
混乱していないということは、そこに立派なルールがあるということです。

どんな企業にも定着した仕事のやり方、ルールがあることはご理解いただけたと思います。

もう1つの「顧客満足と改善の規格」ということですが、
お客様を満足させて売上をどんどん上げていこうというのが企業組織です。
加えて、ミスや間違いを発生させないように効率よく仕事をしていこうというのが組織でもあります。
ISO9001の顧客満足とは売上を上げていく規格であり、改善はミスを減らして効率よく仕事をしていくように工夫をしようということです。

ISO9001は負担を増やすためのルールではなく、仕事をスムーズに、且つ、顧客の満足をどんどん高めて売上を上げていこうという規格です。

余計な仕事や活動をする規格ではありません。

顧客満足を高めて売上を上げていく、色んな工夫をして改善して、仕事をしやすくする、これがISO9001が考え、求めていることです。

ISO9001って大変だよ。と言っている企業の人たちは、全くこのことを理解せず、売上や改善につながらないルールを作って、悲鳴をあがているだけです。

これからISO9001を取得されようとしている企業の方には、「ISOは負担が大変」と言っている企業の人たちと、決して同じ轍を踏まないようにしていただきたいものです。

取引先からの取得要請があり、ISO9001は負担がかかるから取りたくない、と思っている企業の皆様、ISOは負担がかかる規格ではありません。それは間違いです。

ISO9001は自社が毎日取り組んでいる活動をきちっとルール化して、顧客満足を高め、効率よく働けるように改善する規格です。

ISO9001を取得して運用していくことは、顧客満足を向上させ、改善を実行していくツールを導入するということです。 会社がどんどん良くなっていくことを目指す規格を導入するということです。

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ、12歳から東京に移り住む。26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001審査員補、ISO14001審査員補(JRCA登録)。

ISO9001の自力取得、メリット・デメリットを比較

ISO9001のコンサルタントをしていると、ときどき「コンサルタントに頼まず、自力で取得できますか」という質問をいただきます。

そんな疑問の答えとしては「どんな企業でも自力で取得できると思いますよ」と回答しています。

しかし、皆さんがお聞きしたいのは「自力で取得できるか、どうか」だけではなく、「自力で取得すると、どれくらい大変なの?」という疑問を解決されたいのだと思います。

今回は、ISO9001の自力取得について、その負担にも触れながらメリット・デメリットを考えたいと思います。考えるのは、私(長谷川)、20代からISOコンサルタントをはじめ約20年、その経験から説明いたします。

まず、ISO9001の自力取得の最大メリットは、コンサルタントに依頼しないので、コンサルタント費用のコストが発生せず、安く取得できる。これに尽きると思いますが、他のメリットも含めて考えてみたいと思います。

[自力取得のメリット]
・コンサルタント費用が発生しない(安く取得ができる)
・自力で取得するためにISOの勉強を多くする
・コンサル任せではないのでISOに対する当事者意識や真剣度が上がる
・チャレンジしたことに対する達成感を得られる
・苦労や経験がその後の糧になる
・取得後もコンサルタントのサポートを受ける必要はなく、さらにコストが抑えられる
・自力で取得したことを自慢できる(おまけ)

他にもメリットがあるかもしれませんが、代表的なメリットとしては以上のようなことが考えられると思います。

メリットに対して、自力取得のデメリットはどうでしょうか。

[自力取得のデメリット]
・何をどう進めればよいのか要領がわからない
・負担が大きい(コンサル依頼と比較して)
・時間(手間)がかかる
・合格ラインがわからないので、必要以上の手間をかける
・構築したシステムの出来が悪い可能性が高い
・システムが悪いと取得後の運用負担が大きい
・専門家に頼れないので不安

自力取得のデメリットは以上のようなことが考えられます。
最大のメリットが「費用を安く抑えらえる」に対して、

自力取得の最大のデメリットは、
過度なシステムや文書を作って、作ることの負担、それを運用する負担が大きくなる可能性が高い。ということです。
他の企業のシステムを真似して作り、運用に苦労している企業が多くいらっしゃいます。

仮に、ISO9001取得を「自動車を造る」ことに置き換えると、

専門家のサポートを受けて、車を製造する場合、指導に従ってスムーズに製造が進み、しかも、性能や燃費の良い車を製造することができます。
その自動車は、実際の走行もスムーズで、負担なく簡単に走行させ続けることができます。
専門家に頼むと良いことばかりですが、専門家のサポートを受けて製造するので、専門家に支払う手数料(コスト)が発生します。

自働車を自力で製造する場合、
専門家に頼む費用は発生しませんが、出来上がるのに手間取り、時間がかかり、その出来上がった車の性能も専門家のサポートを受けて作った車と比較すると、走行能力は期待できません。

しかし、自力での製造は悪いことではありません。車を自作したことによる苦労や経験はかけがえのないものになると思います。
ISO9001も車も、一度作って終わりではなく、維持し続ける必要があるので、運用しながら、改良を重ねて良いものにしていくことは充分に可能です。

ただし、改良をすればということが条件になるのをお忘れなく。
ISO9001は運用しながら改善できるシステムですが、改善しないまま、負担の大きいシステムを苦労して維持し続けている会社が大変多いのです。

皆さんも「ISOは大変だ」という話を一度はお聞きしたことがあると思います。ISO9001は2015年版以降、負担のかかるシステムではなくなりました。
ひと昔まえは、大企業も中小企業もみな揃ってF-1カーや高級車のようなレベルの高いシステムを構築し運用することが求められ、そのため、特に中小企業は取得も運用も負担が大きい規格でした。

2020年現在、最新のISO9001は、それぞれの会社のレベルにあった軽自動車でもバイクでも、自転車でも自社に合っているもの、扱いやすいものを自由に選らんで作れる規格になりました。
「大変だ」と言っている会社が多いのは、身の丈に合わない重たいシステムを今でも運用しているからです。

ISO9001を自力で取得することについて、

自力取得で注意しないといけないことは、取得することだけを目的にせず、「自社にあったシステムを構築する」ということに主眼を置いて取組みをしないと、取得自体も取得後の運用においても負担が大きくなります。

そこを理解しながら、やる気のある会社は、是非、ISO9001の自力取得に挑戦していただいて良いと思います。ただし、取得した後も、改良をし続けていただくことが必須です。

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ、12歳から東京に移り住む。26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001審査員補、ISO14001審査員補(JRCA登録)。

文書番号は必要か?いらないか?ISO9001コンサルタントが語る。

ISO9001で取り扱う品質マニュアルをはじめ、品質文書は文書番号が必要か?

ISOコンサルタントがお答えします。

答えは自由です。

文書番号は付与しても、しなくても、どちらでも結構です。

付与しなくても良いのに、多くの企業が、品質マニュアルや品質文書に文書番号を付けています。

それは、なぜか?

昔のISOは文書番号を付けるのが当たり前だったからです。

昔というのは、10年前や20年前、それ以前のISOの話です。

では、なぜ今は文書番号を付けなくても良いのか?

本当は、20年前以前から文書番号は付与しなくても良かったのです(規格の要求事項的には)

まず文書番号が必要だということになっていた理由です。

当時(昔)は、慣習というか、先人企業(大企業)がそうしていたから、それに倣って、どこの企業も文書番号を付けて、それが標準になってしまいました。

当時は、ISOに関わる人の多くが大企業でやっているISOが、ISOのお手本であると考えていたからです。

そのため、ISOコンサルタントやISO審査員の多くも、「文書番号が必要」という解釈をしていたので、皆さん文書番号が必要と思っていましたし、文書番号を付けていました。

文書管理に関して言えば、
昔の1994年版の規格要求では「文書台帳」的なものを規格が要求していたので、台帳管理するには、番号があった方が昔は良かったのかもしれません。

2020年現在、最新のISO9001規格は2015年版です。

現在のISO9001の風潮は、各企業に見合った管理をしましょう。という解釈です。

企業に見合ったというのは、その規模や業種などなど、各企業の実態に合わせて、必要な程度の管理をしましょう。という考えです。

2020年現在、ISO9001の規格要求事項には「文書番号を付与しなければならない」という要求はなく、

「文書を識別しなければならない」という要求があるだけです。

「文書を識別する」とは、その文書が何の文書であるか、最新の文書であるか(古い版ではないか)、判別できるようにしときなさい。ということです。

ISOの取り組みを過剰に解釈している企業では、

識別する=文書番号が必要

という考えで、今も文書番号が必要と思っている方もいらっしゃいます。

文書番号を付けて管理することは、良いことでもあります。

ただし、「文書番号が必要」「規格で要求されている」と信じている人もいるので、その影響を受けないように注意してください。

文書番号を付けるのが間違いではなく、不要ということでもありません。

ISO9001規格の文書管理の意図は、

文書が混在して分かりにくかったり、

文書を取り誤って使用したり、

古い文書を最新版と思って使用したり、

そういった間違いの発生を防ぐために、「文書を識別しなさい」と要求しています。

なので、そのために文書番号が必要だったり、番号を付けておくと分かりやすかったり、管理しやすかったり、そういう企業であれば、文書番号が必要となりますし、

文書番号がなくても、正しく確実に管理できる企業であれば、文書番号は不要ということになります。

なので、文書番号が必要か、不要か、ISOコンサルタントの答えは「自由」です。

文書管理に最低限必要なのは、次の3項目で良いでしょう。

  • 文書のタイトル
  • 作成者(または承認者、または作成者と承認者の両方)
  • 発行日(または版番号、または発行日と版の両方)

最近は、小規模企業のISOコンサルティングをする機会が多いです。

小規模企業は文書の量が少ないので、文書管理において文書番号が必要ということは少ないので、企業の希望がなければ文書番号の付与はお奨めしていません。

ISO支援ネットのコンサルティング

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ12歳から東京に移り住み、26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。

【2020年・長崎県】ISO9001認証取得の助成金、コンサル対応しています。

ISO支援ネットを運営しているウイズダムマネジメントです。

長崎県がISO9001認証取得の費用に助成金を出します


長崎県がISO9001の認証取得をする企業向けに助成金事業を実施しています。

認証取得にかかるコンサルティング費用や審査料金の3分の2(上限200万円)を補助してくれる助成金事業です。

締切りが2020年4月17日までです。

もし、「ISO9001を取得したい」「迷っていた」という企業でしたら、この機会の取得をお奨めいたします。

特に小規模の企業様におかれましては、得意先からの要望などでISO9001の必要性を日頃から感じていても、コストや労力の面で認証取得に一歩踏み切れないことが多いと思います。

小規模企業のISOについて

当社も現在、10名未満の企業様のISO9001認証取得のコンサルティングをしていますが、

そちらの企業も、数年前より得意先からISO9001を取得して欲しいとの要望が出ていたそうです。

しかし、ISOへのハードルを感じて、なかなか一歩踏み出せなかったと話されていました。

今のISOは、昔のISOとは違います

多くの企業が、ISO9001を取得したいと感じていても、その難しさや負担から一歩踏み出せないでいます。

しかし、難しいISO、負担のかかるISOは、昔のISOです。

2020年の今でも、20年前、10年前のISOの運用を続けて「大変だ」と嘆いている企業が多くいます。

「ISOは大変だ」と言っているその企業がISOを取得された時期を確認してみてください。

もし、10年以上前にISOを取得している企業であれば、昔ながらのISOで本当に大変なんだと思います。

しかしながら、最新のISOは、無理なく、そして、負担なく認証取得でき、取得後の運用維持も簡単です。

こちらの当社の動画でも、そのことを説明しているので、ご覧ください。

上の動画をご覧になっていただいた方には、昔のISO9001と今のISOとでは、企業にかかる負担が違う、その理由がお分かりいただけたと思います。

もし、長崎県の企業で、助成金対象となる企業でしたら、ISO9001の認証取得に補助が出るいまがチャンスかと思います。

コンサルティング費用と審査料金の3分の2が補助されるのは、かなりメリットがあるのではないかと思います。

ISO9001のコンサルティング料金と審査料金

ISO9001を取得するには、指導してくれるコンサルタントに支払うコンサルティング費用と、審査会社に支払う審査料金が必要です。

当社ウイズダムマネジメントが運営するISO支援ネットでは、ISO9001コンサルティングの費用は、ホームページで公開しています。

企業の人数によって金額設定しており、全国一律の料金です。企業様の交通費負担等は発生しません。

また、審査料金につきましては、ご希望の企業には、当社が推奨する審査機関より審査料金の見積りを手配いたします。

まずは当社へお見積りをしてください。
ISO支援ネット コンサルティング料金(株式会社ウイズダムマネジメント)

長崎県のISO補助事業に対応しています

当社は、長崎県をはじめ、全国の企業様にISO9001、ISO14001の認証取得コンサルティングを提供しています。

よその企業のISOのやり方を押し付けるのではなく、各企業に合った実質的な負担のないISO運用を実現しています。

長崎県のISO補助事業では、コンサルタントの支援報告書の提出が必要ですが、当社は報告書の発行に対応いたします。

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ12歳から東京に移り住み、26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。

ISOとは

ISOの認証取得コンサルティングをする中で、企業の社員の方に「ISOとは何か」というお話をすることがよくあります。

社員全員を前に話させていただくことが多く、そんな場合は出来るだけ優しく説明するように心がけています。

ISOとは、世界標準規格のことで、ISOには大きく製品規格とシステム規格があります。

ここで言う世界標準とは「世界共通の」という意味で、規格は「ルール」という意味です。すなわち世界標準規格とは「世界共通のルール」ということです。

製品規格とは製品やモノに関するルールのことです。

たとえば、これは日本国内の話になりますが、日本の家庭用コンセント(差し込み口)の形状はどれも共通で、差し込む側の電化製品のプラグの形状もどれも共通です。

また、飲料容器のペットボトルの飲み口のサイズも同じで、ペットボトルの蓋は共通で利用できます。

この様に製品の形状やサイズなど、モノに関するルールが製品規格です。

これらは日本国内の規格ですが、世界標準の製品規格ではネジの規格や写真の感度の規格などが有名です。

製品規格に対して、システム規格の説明は難しいのですが、システム規格とは、組織における品質や環境に関する一連の活動を共通のルールの基で行うようにするものです。

製品規格とは、「規定したとおりの製品をつくりなさい」というのが規格の趣旨ですが、

システム規格とは、「(品質や環境に関する)活動をシステム化しなさい」というのが規格の趣旨です。

ISO9000や14000のシステム規格を認証取得をしている企業では、どこの企業も世界標準規格を基に品質や環境の一連の活動をシステム化して、そのシステムどおりに運営して活動しています。

ただ認証取得している企業が全く同じ活動をしているということではなく、システム化する程度や内容は企業が決定しているので、程度は異なるが同じ仕組みができているというのが正しい理解です。