ISO14001の環境目標の事例、環境目標の設定方法

ISO14001、環境マネジメントシステムの環境目標の設定について、どんな目標を設定すれば良いのか、ご質問をいただきました。

 

5年前、10年前にISO14001を取得した企業では、環境目標として電気使用量の削減、紙の使用量の削減、ごみの削減などを設定して取り組むことが多かったと思います。

 

最初は順調に電気量、紙の使用量は削減されていっても、数年もすると削減の限界が見えてきます。

 

現在、当社のISO14001取得のコンサルティングでは、環境目標に電気の使用量や紙の使用量の削減を設定することは少なくなっています。

電気の使用量の削減や、紙の使用量の削減に取り組むことに、必要性やメリットを感じる企業では、是非、環境目標に設定されると良いと思います。

ただ、ISOを取得するから、何か環境目標を設定しないといけないから、そんな理由で電気や紙の削減に取り組むのはおすすめできません。

それより、違った環境目標を設定するべきです。

 

何を環境目標に設定するか?

それは、その目標に取り組むこと、もしくは、目標を達成することに、企業あ必要性やメリットを感じるか、感じないかで決めてください。

 

ISO14001は2015年版として改訂され、より企業活動に密接した取組みをすることを要求されています。

ISOのための活動、ISOのための目標設定はやめましょう。ということです。

 

是非、自社にメリットがある環境目標にしていただきたいものです。

環境目標として、例えば、次のようなことが考えられます。

■生産性の向上
設備などに変わりなく、時間あたりの生産量が上がり、時間短縮ができれば、1製品当たりの設備の電気使用量、照明の使用時間、空調の使用時間が削減されているはずです。

■時間短縮
業務・作業の時間短縮はそれに関わる照明、パソコン等の電気使用量の削減につながります。

■残業時間(就業時間)の削減
照明や空調の使用時間の削減になります。

■不良品の削減
作り直しの時間、材料の削減、生産性の向上

■歩留りの向上
原材料の削減

■低燃費製品の開発
製品利用時の環境負荷が少ない

■製品の軽量化
運搬時、取扱い時の環境負荷が少ない

■製品の小型化
材料費の削減、梱包・運用費の削減、ごみの減量

■省エネ製品の販売拡大
自社製品または競合他社製品より環境負荷の少ない製品の販売促進

■長寿命製品の開発・販売拡大
製品寿命の長い製品の開発・販売拡大

■梱包材の見直し、少量化

■運搬方法・運搬時間の改善

■製品の再利用化

■製品リサイクルを考慮した製品開発・販売促進

 

その他、まだまだ色々考えられます。

もうご理解いただいたとおもいますが、ISO14001の環境目標はISOのために設定するのではなく、

自社にプラスとなり、且つ、環境影響に良いものを設定することをおすすめします。

 

環境目標に限界を感じている方、意義を感じない方の参考になれば嬉しいです。

 

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[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ。現在、東京と関西を拠点に全国コンサル訪問を展開中。26歳で現職の経営コンサルティング会社に転職し、2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティングとISO研修を提供、継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。

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