ISO9001の自力取得、メリット・デメリットを比較

ISO9001は自力で取得できるか

ISO9001のコンサルタントの仕事をしていると、ときどき「コンサルタントに頼まず、自力で取得できますか」という質問をいただきます。

そんな疑問に対して「どんな企業でも自力で取得できると思いますよ」と回答しています。

自力での取得はどれくらいの負担がかかる?

しかし、皆さんがお聞きしたいのは「自力で取得できるか、どうか」だけではなく、「自力で取得すると、どれくらい大変なの?」という疑問を解決されたいのだと思います。

今回は、ISO9001の自力取得について、その負担にも触れながらメリット・デメリットを考えたいと思います。考えるのは、私(長谷川)、20代からISOコンサルタントをはじめ約20年、その経験から説明いたします。

ISOを自力で取得する最大のメリットは

まず、ISO9001の自力取得の最大メリットは、コンサルタントに依頼しないので、コンサルタント費用のコストが発生せず、安く取得できる。これに尽きると思いますが、他のメリットも含めて考えてみたいと思います。

[自力取得のメリット]

・コンサルタント費用が発生しない(安く取得ができる)
・自力で取得するためにISOの勉強を多くする
・コンサル任せではないのでISOに対する当事者意識や真剣度が上がる
・チャレンジしたことに対する達成感を得られる
・苦労や経験がその後の糧になる
・取得後もコンサルタントのサポートを受ける必要はなく、さらにコストが抑えられる
・自力で取得したことを自慢できる(おまけ)

他にもメリットがあるかもしれませんが、代表的なメリットとしては以上のようなことが考えられると思います。

メリットに対して、自力取得のデメリットはどうでしょうか。

[自力取得のデメリット]

・何をどう進めればよいのか要領がわからない
・負担が大きい(コンサル依頼と比較して)
・時間(手間)がかかる
・合格ラインがわからないので、必要以上の手間をかける
・構築したシステムの出来が悪い可能性が高い
・システムが悪いと取得後の運用負担が大きい
・専門家に頼れないので不安

自力取得のデメリットは以上のようなことが考えられます。
最大のメリットが「費用を安く抑えらえる」に対して、

最大のデメリットは

自力取得の最大のデメリットは、
審査をパスするラインがわからず、そのため、過度なシステムや文書にしてしまい、作ることの負担、それを運用する負担が大きくなる可能性が高い。ということです。
ISO取得の失敗例として、他の企業のシステムを真似して作り、結果、運用に苦労している企業が多くいらっしゃいます。

ISO9001取得を「=自動車を造る」ことに置き換えると

参考に、ISO9001の取得=自動車づくり、として考えてみます。

専門家のサポートを受ける場合

専門家のサポートを受けて、車を製造する場合、指導に従ってスムーズに製造が進み、しかも、性能や燃費の良い車を製造することができます。
その自動車は、実際の走行もスムーズで、負担なく簡単に走行させ続けることができます。
専門家に頼むと良いことばかりですが、専門家のサポートを受けて製造するので、専門家に支払うコンサルティング料(コスト)が発生します。

自働車を自力で製造する場合

専門家に頼むコンサルティング費用は発生しませんが、知識や経験がないため造るまでに手間取り、時間がかかり、出来上がった車の性能も専門家のサポートを受けて作った車と比較すると、走行能力は期待できません。

しかし、自力での製造は悪いことではありません。

車を自作したことによる苦労や経験はかけがえのないものになると思います。
ISO9001も車も、一度作って終わりではなく、維持し続ける必要があるので、運用しながら、改良を重ねて良いものにしていくことは充分に可能です。

ISO9001取得は大変なのか?

自力取得でも、コンサルタントのサポートを受けるのも、いずれもメリット・デメリットがあるので、よく理解してご判断ください。

ISO9001は規格が改正され、取得や取得後の運用負担も変化しています。
例えば、2010年以前に取得している会社は比較的に苦労して取得された会社が多いのではないかと思います。さらに遡れば、遡るほどISO取得は大変でした。

皆さんも「ISOは大変だ」という話を一度はお聞きしたことがあると思います。ISO9001は2015年版以降、負担のかかるシステムではなくなりました。

ひと昔まえは、F-1や高級車を造るような負担

またまた車の例えになりますが、
ISO9001取得がどれくらい大変か、ひと昔まえは、大企業も中小企業もみんな揃ってF-1カーや高級車をつくるような高度なシステムを構築し運用することが求められ、そのため、資源(人)や資金の少ない中小企業は取得も運用も負担が大きい規格でした。

現在は、軽自動車、バイク、自転車なんでもOK

2020年現在、最新のISO9001は、それぞれの会社のレベルにあった車、軽自動車でもバイクでも、自転車でも自社に合っているもの、扱いやすいものを自由に選らんで作れる規格になりました。
「大変だ」と言っている会社が多いのは、身の丈に合わない重たいシステムを今でも運用しているからです。

ISO9001を自力で取得することについて

自力取得で注意しないといけないことは、取得することだけを目的にせず、「自社にあったシステムを構築する」ということに主眼を置いて取組みをしないと、取得自体も取得後の運用においても負担が大きくなります。

そこを理解しながら、やる気のある会社は、是非、ISO9001の自力取得に挑戦していただいて良いと思います。ただし、取得した後も、改良をし続けていただくことが必須です。

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ。現在、東京と関西を拠点に全国コンサル訪問を展開中。26歳で現職の経営コンサルティング会社に転職し、2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティングとISO研修を提供、継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。

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正しい理解をすれば、ISO9001の負担はありません。本来、ISO導入は会社にとって負担どころか、会社が良くなるプラスの効果が働くものです。決して間違った負担のあるISOにならないように。



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