ISO9001取得の難易度と費用。2020年の最新情報

最近のISO9001は、10年前と違います

これからISO9001の認証取得を考える企業にとって、最初に考えることは、大きく次の2つではないでしょうか。

1つは、どれくらいの費用がかかるか

もう1つは、どれくらい大変なのか

初めてのことは何でも不安になるものですね、初めてISO9001を取得するのも同じかと思います。

しかも、ISO9001の取得となると、周囲の噂、既に取得している企業の人達の話を聞くと、とてもとても大変で、ご自身の想像で相当の難易度を上げていらっしゃるのではないでしょうか。

不安になるのも当然のことと思います。

しかし、できればISO9001の認証取得をしたいとお考えかと思います。

周囲の話や、想像で不安になるより、事実を知って決めていただきたいです。しかも、古い時代の情報を信じて誤解をされている方もとても多いのです。

そこで、2020年現在のISO9001の認証取得について、費用や難易度を説明いたします。
説明するのは、私(長谷川)、20代からISOコンサルティングを始めて約20年、その経験と情報からお話します。

まず、費用について

ISO9001の認証取得にかかる費用内訳は、次の3つの項目を考えていただくと良いと思います。

1)取得前の準備にかかる費用(コンサルタント費用)
2)審査を受ける費用(審査費用)
3)認証後の維持費用(審査費用+コンサルタント費用)

これら3つの費用が全てかかる訳ではありません。絶対に必須なのは審査費用だけです。
依頼するコンサルティング会社や審査機関をどこにするか、選び方によっても料金が大幅に違います。

それでは、費用について、1項目ずつ解説します。

1)取得前の準備にかかる費用(コンサルタント費用)

コンサルタント費用は、自分たちで自力で取得すればコストは「ほぼゼロ」です。
自力で取得するにしても、研修を受講して勉強するということがあるかもしれないので、多少の費用はかかるかもしれません。

やる気のある会社は、自社で取得をされるのも良いでしょう。自力取得もメリットとデメリットがありますが、一番はコンサルタント費用がかからないというのが最大のメリットでしょう。
自力取得のメリット・デメリットの比較

コンサルタント費用

コンサルタントに依頼する場合、当然、費用がかかります。
費用がいくらか?は、依頼するコンサルティング会社、自社の企業規模などによって決まります。

どこのコンサルティング会社に依頼してもISO9001の認証は間違いなく取得できると思います。完全な素人みたいな人に頼まない限り。

コンサルタント費用の具体的な例を紹介すると
仮に従業員20人ほどの企業であれば、コンサルタント費用は58万円(税別)です。(2020年6月時点、人数別コンサルティング料金表
この料金は、安い方だと思います。
ただもっと安いコンサルティング会社もあるでしょうし、100万円、200万円以上のコンサル費用を請求するコンサルティング会社もあるでしょう。

コンサルティング会社によっては、最初の取得時に低価格で請負い、維持のコンサルティング費用で儲けるビジネスモデルの会社もあります。
このビジネスモデルが悪い訳ではないのですが、ご理解してから依頼されると良いと思います。

また、コンサルティング会社のコンサル内容ですが、これもコンサル会社によって異なります。
アドバイスを中心としたコンサル会社もあれば、文書の代理作成や研修などもしてくれるコンサル会社もあります。

コンサル会社の違い(1)

例えば、ISOを取得・維持するために「内部監査」という自社内での相互チェック行為を、従業員の中から内部監査員を養成して実施しなければなりません。
この内部監査については「セミナー屋さんで何人か研修を受講してきてください」というコンサル会社もあれば、コンサル会社が費用内で研修を実施してくれる会社もあります。

コンサル会社の違い(2)

選んだコンサルティング会社の考え方によって、準備にかかる負担はもちろん、取得後の運用面での負担が異なります。
簡単に言うと、大企業並みのレベルの高い要求をするコンサルタントもいれば、高いレベルを求めず取得を指導するコンサルタントもいます。

どちらが良いかは、これも考え方によりますが、やる気のある企業であれば高いレベルを目指すのはとても良いことです。
しかし、そうではないのにレベルの高いことを追求すると、負担が重なってISOが面倒と感じるので注意してください。

2)審査を受ける費用(審査料金)

次に、ISO9001を取得するためにかかる審査費用ですが、これは必須の料金です。
しかし、依頼する審査機関と自社の従業員人数によって料金が異なります。

ISO9001の審査を実施してくれる審査会社(=審査機関)は日本国内に約50社あります。
この中から自社で審査機関を選び、自社で依頼して審査を受けます。

いずれも国際認証の審査をする会社なので、国際ルールに従って、同じ基準で同じ審査が実施されることになっています。
とは言っても、それぞれ審査機関によって個性や特徴があります。自動車免許の教習所のような感じです。

審査料金について、一例をあげると、
仮に従業員20人の企業である審査機関の認証登録の審査料は約35万円です。

この料金はあくまで参考ですが、比較的、低価格な場合の審査料金です。
審査料金は、企業の規模・業態によって、審査日数が変動するので、同じ審査会社でも会社が変われば金額が変わるということがあり得ます。

審査機関を選ぶのに、どんな視点で考えるかと言うと、次のようなことがあります。
・審査料金
・審査の技量・方針(レベル、細かさ、柔軟性)
・ブランド(信用、知名度)

この3つのことは重要なので、審査機関を選ぶ際は、自社の要望をコンサルタントに伝え、コンサルタントに選定してもらうと良いでしょう。

3)認証後の維持費用(審査費用+コンサルタント費用)

取得後の審査料金

ISO9001の認証取得をすると認証マークが与えられ、その認証を維持しなければなりません。

認証(書)の有効期限が3年なので、取得してから3年目(3年毎)に更新審査があります。
また、審査は3年に1回だけではなく、3年目を迎える中2年間も、毎年、運用確認の維持審査があります。
結局、毎年審査があります。なので、認証を取得すると、毎年、審査費用が発生します。
認証取得後の審査料金は、初回の認証登録のときの審査料ほどは高くなりません。


審査料金について、一例をあげると、
仮に従業員20人の企業であれば、毎年の維持審査料金が10~15万円、3年目の更新審査料金が20~25万円です。

この例にあげた審査料金はやや安い方かと思います。審査機関によってはこれ以上高額な料金になる場合もあります。

取得後のコンサルティングの必要性

認証取得後のコンサルタント費用については、これは必須ではありません。
取得後もコンサルタントのサポートを希望するなら、料金が発生しますし、サポートを受けなければ、費用は発生しません。

注意していただきたいのは、
取得後もコンサルタントのサポートを受けると料金が発生するが、「その分、負担が軽くなる」というのは間違いです。間違いというか、それは10年前以前に取得した企業のやや古いISOです。

2020年現在、ISO9001は負担なく運用できる規格に変わっています。
何が変わったかというと、規格の内容も変化していますし、それに応じてISOの審査機関、コンサルタント、それぞれも昔と比べ考え方が大きく変化しています。

10年前、20年前のISO9001は、確かに、負担のかかる規格でコンサルタントの支援も必要だったかもしれません。

2020年の現在は、「負担のかからないように取得ができる」規格になっています。

もし、取得後のコンサルタント費用をかからないようにしたいのなら、

取得前の準備する段階から、取得後の運用を見据えて、負担のかからないように取得することが必要です。

そのようにしないと、現在でも、取得後に負担のかかる取り方をしている企業、コンサルタントもいるからです。

負担のかかるISOの取り方とは、
例えば、小規模企業が大企業並みの重厚な取り方をするということです。重厚な負担のかかるISOが決して悪い訳ではありません。

コンサルティング会社の戦略として

コンサルティング会社も「取得後のサポート料金」という名目で半永久的に企業から料金を請求できることは有難いビジネスです。

なので、コンサルティング会社の中には、取得後のコンサルティング料金の徴収を前提に、初期の導入部分であるISO取得のコンサルティング費用を安くして、お客様を獲得しているコンサルティング会社もあります。

10年前、20年前の負担のかかるISOを維持している企業にとっては、「コンサルサポートのお陰でISO維持が楽になった」ということはあるでしょうから、ずいぶん前に取得した企業側にとっては有難いサービスかと思います。

これから取得する企業は、最初の取得前の段階から負担のかからないISOにしておけば、取得後も自社で充分にISOを維持でき、取得後のコンサルティング費用をかからなくできます。

取得後のコンサルティング料金(0円~10万円)

取得後も負担がかからずコンサルタントの外部サポートを受けないように取得すれば、費用は0円です。

取得後もコンサルティングを依頼する場合、費用は、選択するコンサルティング会社と、自社の規模、ISO規格の数によって異なります。

ISO規格の数というのは、ISO9001以外に14001や27001といった複数のISO規格のサポートを同時に受ける場合です。この場では、ISO9001の一規格に絞って説明します。

取得後のコンサルティングを依頼した場合、一つの規格で、月額3万~6万円、10万円以上する場合もあるでしょう。

金額の違いはコンサルティングの内容によっても異なります。

単純にISOの認証マークを維持するためのサポートもあるでしょうし、ISOの効果を出すために様々な提案や、内部監査やマネジメントレビューに関与するコンサルタント会社もあれば、社員向けの研修やISO以外のサポートをしてくれる会社もあります。

認証取得後のコンサルティングによって、様々なメリットがあり得ます。
営業や利益が向上する、品質が向上する(不良が削減する)、生産性が向上するなどなど、コンサルタントに依頼することは決して悪いことではありません。

ただ、そいったコンサルティングのメリットを望まないのであれば、取得後の費用は0円になるよう自社で自力で運用することをお奨めします。
こちらをご参考にしてください。

運用のための継続コンサルティングは必要ありません

ISO9001の難易度について

ISOが難しい、負担がかかるというのは、ずいぶん昔の話です。昔と言っても10年前、20年前です。

しかし、その10年から20年前の大変なISO時代に取得した企業が一番多く、

「ISO9001=負担がかかる」という話が溢れています。

そのような企業の方々は、確かに大変なご苦労をされて取得したので、「大変だ」と言いたくなるお気持ちも良くわかります。

でもその話を真に受けないでください。いまのISOと10年前以前のISOは負担が違います。違うようにできます。

ISOの難易度、負担については、当社のホームページになりますが、参考になるページがあるのでご覧ください。

ISO支援ネットのコンサルティング

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ、12歳から東京に移り住む。26歳で経営コンサルティング会社に転職、現職。2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティング、ISO研修を継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。