ISO9001取得の期間、最短は2~3ヶ月で審査を受けました

ISO9001の認証取得コンサルティングをしているISO支援ネットです。

今回は、ISO9001を認証取得するために必要な期間について話します。

しかも、「最短期間」についてです。

これからISO9001を取得される企業で、事情があってどうしても早くISOの認証が必要ということがあると思います。

最短ではどれくらいの期間を要すのか。

実際に最短で取得した企業の例を基に話します。

当社がこれまでに認証取得のコンサルティングをした会社の中にも「早く取得したい」「最短で取りたい」という企業は多くいらっしゃいました。

早く取得したい理由・過去のケース

その理由は様々で、過去には次のような理由で早めの取得を支援してきました。

【理由1】
新規顧客との取引きをする事が決まっているが、その新規顧客の取引条件にはISO9001取得という事項があり、すぐに取得するように言われている。

【理由2】
建設業をしているが、来年度の経審(経営審査)の加点のためにISO9001を年度いっぱいまでに取得したい

【理由3】
これまでISO9001を取得していた会社の下で孫請けの仕事をしていたが、事情が合って直接の取引することになり、急いでISOを取得しないといけなくなった。

【理由4】
公共工事の仕事をしているが総合評価点の点数を上げるためにISOを取得することを決めた。一刻も早く取得して次の入札に間に合わせたい。

通常のISO9001の取得期間は

当社・ISO支援ネットでは通常5~6ヶ月の準備期間で審査を受けてもらっています。

審査を受けて正式に認証書が発行されるまでには数週間を要すので、正式な認証取得までは、審査を受けてから2~3週間ほどを見込んで計算していただくと良いと思います。

通常の準備期間が5~6ヶ月のといのは、当社・ISO支援ネットの場合です。

(コンサルティング会社によって準備期間の設定は異なります)

できれば早めに取得したいとなると4ヶ月ぐらいでも問題なく取得できると思っていただいても結構です。

取得の期間は短くなる傾向に

近年、ISOの規格要求も柔軟化されているので、比較的に短い準備期間で取得する事が可能になっています。

例えば、10年前でしたら当社でも通常でも8ヶ月の期間は要していて、もっと遡ると10ヶ月、1年間という期間を要すのも普通でした。

さて最短での取得期間はどれくらいか

なるべく急いで早めの場合で4ヶ月という準備期間が可能ですが、さらに短い期間で取得したことが近年でもあります。

最短で取得した会社の事例

その会社は製造業でしたが、顧客との取引事情があってどうしても最短で取得したいというご相談をいただきました。

結果、3ヶ月で取得しました。

準備を開始した月が、4月で、翌月5月には審査を受けました。

初めて取得する場合の審査は2段階の審査が行われるので、その翌月6月に最終の審査を受けて、その後2~3週間で認証書が発行されました。

2ヶ月で審査を受けるというスピード

準備をスタートした翌月、実質2ヶ月で審査を受けるというのは、当社の中でも最短記録です。

貴重な経験にもなり、案外問題なく出来るものだとも実感しました。

なぜ、最短で取得できたか

多くの人がISO9001を取得するためには、社内の活動を整えたり色々とやることがあり、準備に時間がかかると想像されていると思います。

しかし、現在のISO9001では、極々一般的な会社であれば、現状のありのままで取得することが可能です。

昔は、ISO9001を取得するために、ISO用のルールを設けたり、文書を準備したりすることが多くありました。しかし、それは10年以上前のISOの話です。

自由度が増すISO9001

現在、2022年のISO9001は規格の要求事項も改正されて、取得する企業の自由度が増しています。

簡単に言うと、昔の規格要求では、実施項目や文書化の要求が多くあったのですが、現在のISO9001は、要求項目こそありますが、その要求をどの様に満たすか、どの程度満たすかは、取得する企業の判断に任せられるようになりました。

なので、ISOを取得する際に、新しいルールを作ったり、ISO用の新しい文書を作成しようと思うと、準備期間がかかりますが、

今まで通り、現状をベースにしてISOを取得したいと思えば、そのままで取得できるのが現在のISO9001です。

負担なく取得することが可能に

ISO9001は柔軟な規格になり取得する企業側の自由度が増したという話をしましたが、自由ということは、過去のように、大手企業を真似たルールや文書を導入し、負担をかけて取得することも可能ですし、逆に、シンプルなルールや、現状のありのままの仕事の仕方で取得することも可能です。

依頼するコンサルタントの考え方も重要

どのように取得するか、企業側の意思や支援するコンサルタントの考え方に大きく左右されるようになっています。

当社・ISO支援ネットは負担をかけない取得、取得後も負担と費用をかけない運用を推奨しています。ISO支援ネットのホームページをご覧ください。人数別のコンサルティング料金も公開しています。

急いだり、最短で取得して問題ないのか

最短で取得できるのは良いが、最短で取得したときのデメリットが心配になるかもしれません。

あまりにも早過ぎると、想像以上に簡単に取得できたように感じてISO9001を取得した実感が湧かない、達成感がない、と言ったことはあるかもしれませんが、最短での取得による大きなデメリットはあまりないと考えています。

現在のISO9001は負担なく取得できるようになっていますが、取得までに多少やることがあるので、短い期間の中でコンサルティングに対応する時間確保やスケジュール調整さえできれば問題はないと捉えて良いと思います。

ISOに対する考え方の違い

ISO業界の人の中には「2ヶ月で審査を受けた」なんて聞くと「それは無理でしょ」「正規の取り方じゃない」とか「そんなの本当のISOじゃない」とか否定的な意見を強く唱える人もいるかと想像します。

それはISOに対する考え方の問題です。

ISOの取得や運用について、負担がかかろうが、意味があろうが無かろうが、大企業並みの品質管理や文書を用意することが本当のISOであると信じている人が、今でも多くいるのも事実です。

ISOは取得するのが重要ではなく、活かすことが重要

ISO9001は取得して終わりではなく、取得した後も運用して行く必要があります。

ISO9001規格は、企業がISOの運用を継続することで、社内的な改善や、審査という外部チェックがそれぞれ機能して、企業がどんどん良くなっていくことを想定しています。

なので、取得段階で整った状態や完璧な状態でいることを求められていません。

取得の段階では、まだまだ不足しているところがあって良いのがISO9001です。

取得は始まり、取得してからでOK

自動車免許も、免許を取得したからと言って運転が上手いわけではありません。

自動車免許は運転ができる知識と最低限の技術があることを認めてくれているに過ぎません。

ISO9001も同様で、初めて取得する段階では、ISOの運用歴も短いので、当然、整っていないのが当たり前です。

自動車免許と異なるのは、ISO9001は、取得した後に毎年審査があり、健康診断のように、どれくらい成長しているか、改善が進んでいるかを確認してくれます。

改善した方が良いところを教えてくれるので、それを基に改善を進めて行けば良いのです。

昔のISO9001=「負担」、現在のISOは?

過去にISO9001を取得した企業には、ISOを導入する際に大企業のやっている品質管理の方法を取入れ、実行することの負担や文書作成、その後の管理の負担など、多くの苦労を体験し「これがISOなんだ」と大変な思いをされた方が多くいらっしゃいます。

恐らく、その負担は取得後の今も続いているはずです。
(その負担も多少は慣れていると思いますが)

当社・ISO支援ネットは負担なく取得して、小さな改善を重ねて、結果、良い会社になっていただくことを目指してコンサルティングをしています。

負担となるISOではなく、改善が進むISOの方が良いに決まっています。

間違ったISOの考え方を紹介

当社では、次のような考えを、「間違ったISO」や「古いISO」と呼んでいます。

・ISOを取得するには大企業のマネごとをしないといけない

・ルールや手順は文書化して整えなければならない

・ISOの審査では指摘をもらわない方が良い

当社では、間違ったISOと呼んでいますが、上記の事を正しいISOと考えてISOを運用している人も多くいます。

どちらが正しいか議論する必要はないと思います。それぞれの思うISOで良いのが現在のISO9001です。

最短取得ができる企業、条件

最短期間で取得する話に戻りますが、

最短2ヶ月で審査を受けて、3ヶ月ほどで取得した会社もありますが、どんな企業でも同じように最短取得できる訳ではなく、次のような会社が望ましいです。

・小規模会社、従業員が少数、2人~多くても20人くらいまで

・経営者がリーダーとなって活動している(経営者と従業員との距離が近い)

・会社(取得業務)の運用歴が3年以上はある

加えて、ISOは審査を受けなければならないので、審査の日程が良いタイミングで確保できるか、審査機関側の都合などもクリアしなければなりません。

もし、ISO9001を最短取得しなければならない場合、まずはお見積り依頼と合わせてご事情をお聞かせください。

[この記事を書いた人]
長谷川 順  ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ。現在、東京と関西を拠点に全国コンサル訪問を展開中。26歳で現職の経営コンサルティング会社に転職し、2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティングとISO研修を提供、継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。

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[動画]ISO9001取得の意味、目的、効果

正しい理解をすれば、ISO9001の負担はありません。本来、ISO導入は会社にとって負担どころか、会社が良くなるプラスの効果が働くものです。決して間違った負担のあるISOにならないように。



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