福岡県の食品メーカーでISO9001取得のコンサルティングをしました。
食品メーカーがISO9001を取得するって?
食品工場がISO9001を取得するメリットや意味があるのか、そんな疑問をもつ人もいるかと思います。
食品メーカーや食品工場の認証規格には、HACCPやISO22000、FSSC22000といった業界規格があるので、食品メーカーがISO9001を取得する意味やメリットはあるのか、という疑問をお持ちになると思います。
この福岡県の食品メーカーがなぜISO9001を取得することになったのか、その理由や取得までの取組みについて、担当したコンサルタントより紹介します。ISO9001の意味やメリットもお伝えできればと思います。
その前に簡単に当社の紹介をします。
福岡県をはじめ全国でISOコンサルを提供
当社・ISO支援ネットは食品メーカ―や食品業界に特化したコンサルティング会社ではありません。業界を問わずどんな分野の企業様にもISO90001認証取得のコンサルティングを提供しています。福岡県はもちろん、全国の企業に訪問して支援しているコンサル会社です。
コンサルティング料金を公開しています。
料金は企業の人数別で、全国均一価格です。福岡県内の企業様だけではなく、地方の企業様も安心してご依頼ください。どちらの都道府県でも出張費用の請求はありません。
食品メーカーがISO9001を取得した理由
さて、食品メーカーがISO9001を取得する理由ですが。
こちら福岡県の食品メーカーの取得理由は大きく2つあります。
[取得理由、その1]
適切な品質管理をしている食品工場の証として
国際認証を取得して、公的な機関より食品安全衛生や品質管理をしっかり実施している会社であることを認められたい。
食品業界に限らず日本国内のどの分野の企業でも、近年、企業として生き残っていくための競争が年々激しくなっていると経営者の方々は強く感じていらっしゃるのではないでしょうか。
もしくは、いまは経営が安定していても将来的な環境変化において早い段階から備えが必要と感じていらっしゃると思います。
新しい仕事をするには、国際認証は必須
今回、ISO9001を取得した福岡県の食品メーカーの社長も、現状、経営的にすぐに国際認証を取得しなければならない理由は無かったようですが、食品業界の集まりや展示会に足を運んで情報交換をしていたところ、「食品メーカーであれば何らかの認証をもっていないと今後の経営は厳しくなる」という結論に至ったそうです。
こちらの食品会社は自社のオリジナル商品もありますが、大手食品メーカーのOEM商品の割合も多く、そういった大手メーカーとの取引きを安定的に維持し拡大していくために、また、新規取引を獲得していくには、工場の安全衛生管理や品質管理をしっかり取り組むことは当然のこととして、それを確実に実行していることを公的に認められる必要があると感じられ、ISO9001取得を決断したそうです。
(なぜ、HACCPやISO22000、FSSC2200ではなく、ISO9001なのか?それは後で説明します)
[取得理由、その2]
組織の管理体制強化、そして将来に向けて
将来の世代交代を前に、自社の組織体制を強化しておきたい
引き続き、福岡県の食品メーカーのISO9001取得事情ですが、2つ目の取得理由は、会社の組織体制を強化したいということでした。
これまでは社長自らが先頭に立って事業や会社運営をリードされていたようですが、近い将来の世代交代が視野に入り出し、経営を引き継ぐ前の自分が先頭に立っている間に会社の管理体制を整え、組織として管理活動ができる会社にしてから事業を引き継がなければならないと考えられ、ISO9001の導入を判断したそうです。
HACCPやISO22000、FSSC2200ではなく、なぜ、ISO9001なのか?
HACCPやISO22000、FSSC2200は簡単に説明すると食品メーカー等向けの食品衛生管理、食品安全の手法や規格です。これらは食や食品に特化したハザード管理などを主要とした管理が求められます。
それに対して、ISO9001は食品業界に限定されないどの業種・分野にも適用できる品質管理を主要とした国際規格です。
ISO9001規格とは、どんな規格なのか
ISO9001規格のことを簡単に説明すると、
どんな企業にも、顧客から注文依頼があり、依頼を受けた製品やサービスを顧客の依頼どおりに提供するためのプロセス(仕事の流れ)があります。
顧客側からすると、そのプロセスを通じて製品やサービスが提供されるため、どんなプロセス(仕事の流れ)で仕事をしているのか、しっかりした会社ほど依頼先のプロセスに大きな関心があります。
ISO9001は仕事の流れを管理する規格
ISO9001は、このプロセスをしっかり「管理」して、確実に製品やサービスを提供できる体制を構築することを求めている規格です。
補足ですが、「管理」というと難しい事をしなければならないとイメージされるかもしれませんが、ISO9001は分野や企業規模を問わない汎用的な規格なので、その業界や自社の慣習を主体に自社のやり易い管理体制をつくって運営することで取得が可能です。
ISO9001がどんな企業でも取得できる基礎規格に対して、
ISO2200規格は食品業界に特化した国際規格ですが、これと同じように、現在、業界に特化したISO国際規格が多く制定されています。
一例をあげると、自動車業界、航空業界、医療機器業界、交通業界などなど、それぞれの分野に特化したISO規格がでています。
これらのベース(基幹)となっているISO規格が、ISO9001品質マネジメントシステムです。
それぞれの分野に特化した規格は、その分野独特の取組みが求められており、簡単に説明すると「ISO9001にプラスα業界独自の要求」が加えられているようなイメージです。
その業界に特化している分、規格要求の項目やボリュームが多かったり、要求している内容が細かいと理解していただければ良いと思います。そのためISO9001と比較すると取得のハードルは少しあがるかもしれません
ISO9001取得は難しいか、他社の真似をすると負担
そうは言っても、ISO9001取得も難しいのではないか?
こちら福岡県の食品メーカーの社長も同じように、ISO9001取得も難しいとイメージされていたようです。
ISO9001の取得は、業界によっては必須であったり、当たり前であったりしていることから、国内でも一番多く取得されている国際規格です。
取得している企業の数が多いだけに、既に取得した会社からISO9001に関する情報も入りやすいのですが、その情報を聞くと「細かなルールを設定したり、沢山の文書を用意したり、非常に負担が多い」という話も少なくありません。
このようにISO9001の取得が非常に難しい、また、取得後の維持負担も大きいというネガティブな噂は本当に多くあります。
実際に取得している企業の人たちがそのように話しているので、それはそれで事実かと思います。
しかし、決してそのネガティブな話を真に受けないとほしいと強く思います。
ISO9001取得が難しい、負担が多いという企業の話は、昔に取得した企業の話です。
10年前、20年前に取得した企業は、既にISOを取得している大企業や他社のISOルールやISO文書を自社に導入して(真似して)、他社のやり方を真似するための導入にかなり労力をかけられました。
また、その導入した他社のルールや文書を取得後から現在にかけても維持しているため、いま現在もISOに負担を感じていらっしゃいます。
これは悪例で、これからISO9001を導入する企業は、決して同じような真似をしてほしくありません。同じように負担ばかりかかることになります。
ISO9001が仕事を簡単にして働きやすくするのが目的
いま現在、ISO9001は他社の真似をする必要は全くなく、自社の仕事のやり方をそのままで取得可能です。
また、本来ISO9001は他社の真似をして厳しいルールや大量の文書を導入するための規格ではなく、自社のルールを明確にして、そのルールを確実に実行することで良い製品やサービスを提供しようとする規格です。
加えて、そのルールなどに欠点や不備があるなら、厳しいルールではなく、よりやり易いルールに改善して、製品やサービスに不備がないようにしましょう。という規格です。
ISO9001は重厚なルールや文書を導入するのではなく、より簡単で効果のあるルールづくりをして、出来れば仕事の効率や成果を上げましょうという規格です。
福岡県の食品メーカーのISO9001の現場
今回の福岡県の食品工場においては、ISO9001の導入取得以前からしっかり仕事を管理されて活動されていました。
管理とは自社のルールをきっちり作って、そのルール通り活動するということです。
ただ、一部分では、現場ごとに別のルールがあったり、ルールはあるけど、細かすぎてパートの方たちに分かり難かったり、一部、人任せで基準がルールが曖昧だったりする部分があったので、そこはISO導入にあたり、自分たちの働きやすいルールを見直してもらいました。
仮に現場ごとや製品ごとにルールの内容や程度が異なることは問題でありません。それが自社や製品にとって良いのであれば、その異なることをしっかりルールとして管理すれば良いだけです。
ISO9001の本当の取得メリット
ISO9001は分かりやすいルールで働きやすく、効率の良い仕事をするためのものです。
そして、改善を継続してより間違いを少なく、効率よく、働きやすい職場を作っていくことが維持活動であり、ISO9001導入のメリットです。
これは食品工場に限らず、どんな分野の企業においても必要なことで、ISO9001が汎用規格としてどんな業種にも有効活用できる規格とされている特徴です。
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[この記事を書いた人]
長谷川 順 ISOコンサルタント、株式会社ウイズダムマネジメント代表。
1975年 京都府生まれ。現在、東京と関西を拠点に全国コンサル訪問を展開中。26歳で現職の経営コンサルティング会社に転職し、2004年・29歳のときに「ISO支援ネット」事業を立ち上げ、自ら全国の企業に訪問しISOコンサルティングとISO研修を提供、継続中。わかりやすく実践的なISOを提唱。ISO9001及びISO14001審査員補(JRCA登録)。
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ISO9001コンサルティング料金(人数別の料金表、社員2人~80人)